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世界遺産 ヴェネツィア展 [美術館  ARTNEWS アートニューズ]

世界遺産 ヴェネツィア展

 

美を生んだ、水と生きた、人生を愛した
             ヴェネツィア人の物語 ――。

世界遺産「ヴェネツィア」の黄金期から爛熟期まで、
至極の芸術作品が前例のない規模で日本上陸。

 

 

 ヴェネチアの芸術作品のハイライトをすべてこの展覧会のために用意した、という感が否めないくらい素晴らしい展覧会である。

サン・マルコのライオン.png

 

 《サン・マルコのライオン》   ヴィットーレ・カルパッチョ
1516年 油彩、カンヴァス 130×368cm ドゥカーレ宮殿 

※東京、名古屋のみの展示。

 

 

ヴェネツィアの眺望.jpg

 《ヴェネツィアの眺望》  ヨーゼフ・ハインツ・イル・ジョーヴァネ  
1648-50年頃 油彩、カンヴァス 171×269cm  コッレール美術館


ヴェネツィア共和国はその誕生から約1000年で、建国・絶頂・終焉までの歴史を辿った数奇な運命の都市といえよう。

697年に共和国総督(ドージェ)が厳正なる選挙によって初選出されて以来、「自由と独立」を貫き、強大な海軍力と交易による富を背景とした水の都は、その美しさから「アドリア海の女王」とたたえられたほどである。

総督ジョヴァンニ・モチェニーゴの肖像.png

《総督ジョヴァンニ・モチェニーゴの肖像》  ジェンティーレ・ベッリーニ
1478-79(1481-85?)年 テンペラ   板62×45cm コッレール美術館
※東京、名古屋、京都、広島のみの展示
 

そして16世紀ルネサンス期には、今までの富の蓄積の上に文化が爛熟期を迎え、ヨーロッパ中の芸術家のみならず、富裕階級が訪れる観光の街となる。

しかし、1797年にナポレオンの侵略により終焉を迎えるが、現在でも、かつての栄光の軌跡はサン・マルコ広場やドゥカーレ宮殿など街の至る所に受け継がれ、世界からの観光客であふれている。

歴史的な街並みが数多く現存しており、1987年に世界文化遺産に登録された ヴェネツィアは、ますます世界中の人々を魅了し続けており、1895から二年に一度、奇数年に開催されている現代美術の国際美術展覧会ヴェネチアヴィエンナーレの会場としても名高い。

ヴェネツィア国際映画祭と国際演劇祭、国際建築展覧会・ヴェネツィア建築ビエンナーレフェニーチェ劇場で行われる国際音楽祭(ヴェネツィア国際現代音楽祭)、国際舞踊祭(コンテンポラリー・ダンス国際フェスティヴァル)もヴェネツィア・ビエンナーレの一部なので、その文化の集中度は21世紀の現在でも高い

  この展覧会では、輝くような色彩と光のニュアンス、そして雅やかな詩情を重視するヴェネツィア派のベッリーニ、カルパッチョ、ティントレット、ティエポロなど、有名画家の絵画をはじめ、ゴンドラ、ガレー船にイメージされる、ヴェネツィア共和国に富をもたらした「海」に焦点を当て、選挙で選出された総督や共和制などの政治の仕組みから、華麗なる貴族の暮らしの様子まで約140件に及ぶ作品を通して、ヴェネツィアという都市の文化的な成熟度を検証できる。

この展覧会を通して、ヴェネツィアの新たな魅力を再発見し、ヴェネツィアを訪れたくなるような展覧会である。

 

構成

第一章 黄金期 La Serenissima

 ヴェネツィアの独自性は、その立地。陸地ではなく、水上に生まれたこの都市は、ラグーナ(潟)の泥の中に基礎を置き、泥や藁によりこつこつと建築を積み重ね、今もって見ることのできる教会や大きな建築物を残して来た。

常に水に囲まれ、不安定な環境にさらされながらも、ラグーナは外敵からの攻撃や侵入に対して、最良の防御設備でもあり、ヴェネツィア人は巨額の資金と莫大な労働力を費やして他には類をみない都市を作り上げたのだ。

その都市構造から、国家機関、そして海運王国として、経済的にも宗教・文化的にも発展していったヴェネツィアの黄金期を紹介している。

 

第二章 華麗なる貴族 La Vita nel Palazzo

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《香水売り》ピエトロ・ロンギ  1750-52年 油彩、カンヴァス 62×50cm カ・レッツォーニコ 

黄金期を迎えたヴェネツィア人の生活、華麗なる日々を紹介。

カナル・グランデ(大運河)の両岸に並ぶ豪奢なパラッツォ(邸館)。そこでくりひろげられためくるめく非日常的生活は、ロンギなどの画家によって優雅に描かれている。

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 《ゲーム》  18世紀 157.5×42.5×5cm  コッレール美術館

また織物や香水、履き物、レース編み、とりわけヴェネツィアンガラスは極めて洗練され、世界各国で取り引きされ、輝かしい成功をおさめた。

 

クリスタル製水差し.jpg

《金箔と可溶性多色エナメルによるスレート模様と花の渦巻き模様で装飾されたクリスタル製水差し》   ムラーノ島製
15世紀末-16世紀初頭 ガラス 20.9×7.9cm ガラス博物館

 

第三章 美の殿堂 La Galleria dei Dipinti

ヴェネツィアの建築は、ルネサンスとバロック(16-18世紀)の様式が特徴的だが、中でも16世紀はヴェネツィアがイタリア美術の黄金時代において成功をおさめた時代である。

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《聖母子》  ジョヴァンニ・ベッリーニ
1470年頃 テンペラ、カンヴァス 52.5×43.2cm   コッレール美術館
※東京、名古屋、京都、広島での展示
 

15世紀末からベッリーニの一族が、そして16世紀にはティツィアーノ、ティントレットなどヴェネツィア派絵画と呼ばれる一群の画家たちが活躍した。今では、イタリア絵画といえば、彼らを指すと言っても過言ではないほどの栄華を極めた。

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《天国》  ティントレット 1582年頃 油彩、カンヴァス 154×350cm ヴェネツィア養老院協会
 

また、軍事上、経済上の傾きをみせはじめながらも、18世紀はヴェネツィアにとっては、いまだ輝かしい成功の時代であり、絵画、建築、彫刻、音楽、演劇などの文化の中心地であった。

ヴェネツィア派絵画の創始者でもあるベッリーニから、「景観画家」として大成功をおさめたカナレットなどヴェネツィアの誇る絵画芸術にスポットを当てた構成だ。

 

柱廊のあるカプリッチョ.jpg

《柱廊のあるカプリッチョ(奇想画)》 カナレット

1765年頃 油彩、カンヴァス 128×92cm カ・レッツォーニコ 

東京展 特別出品作品《二人の貴婦人》 ヴィットーレ・カルパッチョ 
日本初公開

この作品は、ヴェネツィア絵画史の中で最も著名な作品のひとつである。

19世紀イギリスの批評家ジョン・ラスキンは、本作品を「世界でもっとも美しい板絵」とたたえたほどである。東京展のみの特別出品。

 

《二人の貴婦人》 


  二人の貴婦人.jpg

 ヴィットーレ・カルパッチョ 1490-95年頃 テンペラ・油彩、板 94.5×63.5cm コッレール美術館
 (c)ヴェネツィア市立美術館群財団

 

 

会期

2011923日(金)~1211日(日)

会場

江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1
電話番号:03-3626-9974(代表)

·          ・JR 総武線 両国駅西口、徒歩3分
 ・都営地下鉄大江戸線「両国駅(江戸東京博物館前)A4出口、徒歩1分
 ・都バス:錦 27 ・両 28 ・門 33 ・墨 38 系統
  「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3

開館時間

午前930分~午後530
(土曜日は午後730分まで。1028日(金)・29日(土)は午後9時まで) 
*入館は閉館の30分前まで
*今後の節電等の状況によって変更する場合がありますので
 ご来館の際は江戸東京博物館ホームページ等でご確認ください。

休館日

毎週月曜日休館(ただし1010日は開館)

主催

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、東映、TBS

後援

外務省、文化庁、イタリア大使館、BS-TBS、TBSラジオ、読売新聞社、J-WAVE

協賛

大日本印刷、損保ジャパン

協力

ヴェネツィア市立美術館群財団、アリタリアーイタリア航空、日本貨物航空、アルテリア、日本通運、JR東日本

料金

 

観覧料(税込)

特別展観覧券

特別展・
常設展共通券

一般

1,400(1,120)

1,600(1,280)

大学生・専門学校生

1,120(890)

1,280(1,020)

中学生(都外)
高校生・65歳以上

700(560)

800(640)

小学生・中学生(都内)

700(560)

なし

サン・マルコのライオン
ピンバッチ付チケット

なし

なし

ペアチケット
1枚で2名同時入場)
《二人の貴婦人》
ミニカード2枚付

なし

なし

※中・高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証・運転免許証など)のご提示をお願いいたします。

※( )内は20名以上の団体料金。
※共通券は江戸東京博物館のみで販売。
※小学生と都内に在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料のため、共通券はなし。
※次の場合は観覧料が無料。
未就学児童。
身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。(入館の際は障害者手帳等のご提示。)

 

 

公式テーマ曲

「ヴェネツィアの風に吹かれて」 ピアニスト 辻井伸行 作曲・演奏 

辻井伸行氏は、6月にヴェネツィアを訪問、ゴンドラに乗り、海風を感じ、ヴェネツィアの栄光に思いを馳せることで着想を得てすぐに現地で作曲。

かねてより、ショパンが作った≪舟歌≫に感銘を受け演奏を重ねてきた彼が、帰国後一気に弾き込んで、完成させた自信作である。

 

辻井氏は1988年生まれの22歳。7歳で全日本盲学生音楽コンクール器楽部門ピアノの部第1位受賞。09年には、第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初の優勝を飾り、その後、国内外でリサイタル・ツアーやオーケストラとの共演を続けている。

彼の魂のこもった演奏は、聞き手の心を動かす。

 

なお、この展覧会は、江戸東京博物館をキックオフとし、以下のように巡回する。

 

巡回スケジュール

■愛知(AICHI
【開催期間】20111222日(木)~201234日(日)
【会場】名古屋市博物館(愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1) 電話番号:052-853-2655 
http://www.museum.city.nagoya.jp

■宮城(MIYAGI
【開催期間】2012317日(土)~513日(日)
【会場】宮城県美術館(宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1) 電話番号:022-221-2111 
http://www.pref.miyagi.jp/bijyutu/museum/

■愛媛(EHIME
【開催期間】2012526日(土)~716日(月・祝)
【会場】愛媛県美術館(愛媛県松山市堀之内) 電話番号:089-932-0010
http://www.ehime-art.jp/

■京都(KYOTO
【開催期間】2012728日(土)~923日(日)
【会場】京都文化博物館(京都府京都市中央区三条高倉) 電話番号:075-222-0888
http://www.bunpaku.or.jp

■広島(HIROSHIMA
【開催期間】2012106日(土)~1125日(日)
【会場】広島県立美術館(広島県広島市中区上幟町2-22) 電話番号:082-221-6246
http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/

 

読者プレゼント 

1020名様にご招待券 プレゼント

あて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp に展覧会名   と会場名 ご住所、お名前をお書きの上どしどしご応募下さい。

発送をもって当選と代えさせていただきます。


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コメント 1

Calis

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by Calis (2018-04-15 04:03) 

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