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江戸東京博物館 開館20周年記念特別展  日本橋 ~描かれたランドマークの400年~ [美術館  ARTNEWS アートニューズ]

江戸東京博物館 開館20周年記念特別展

日本橋 ~描かれたランドマークの400年~

 

 江戸東京の象徴として日本人に愛され、歌川広重の東海道五拾三次など浮世絵にも積極的に描かれてきた日本橋。

双六の出発点も日本橋とするものが多い。

慶長8年(1603)に初めて架橋されて以来、400年以上の歴史を持つ日本橋の姿を、絵画を中心とした資料約130件でご紹介する展覧会が、江戸東京博物館で開催中である。

 

 江戸時代に木造で架橋され、明治44年(1911)に石造の橋に生まれ変わった。

現在は、橋の下を流れる日本橋川に船の桟橋が完成し、隅田川方面への水路が開けたことにより、日本橋周辺及びその流域地域の活性化が注目を集めている。

そこでま

ず橋そのものに注目し、日本橋が木造だった、江戸時代から文明開化期の橋の様子を展示。

次に、100年前の開通式に始まる石の橋の様子を確認。

そして同時に、江戸時代における日本橋川の舟行やその周辺の賑わい、さらには文明開化期に劇的な変化を遂げた周辺地域にも着目し、日本橋の歴史的な側面にもスポットを当てた内容。

この展覧会の出品資料は、今年度末に開館20周年を迎える江戸東京博物館が長年にわたり収集してきたもの。

江戸から明治、大正、昭和に至る資料を収集・保管するこの博物館ならではのコレクションであり、日本橋やその周辺を記録する絵や写真類をこれだけの規模で一挙に公開するのは初めて。

 

是非この機会に、日本橋がいつの時代も変わらず注目されてきた江戸のランドマーク、ひいては日本のランドマークであり、江戸東京の文化や生活に多大な影響を与えてきたひとつの発信地でもあったことが、多彩な展示資料を通じて検証できる。

 

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 渓斎英泉 「江戸日本橋より冨士を見る図」 大判錦絵 1枚 文政(181829)中頃

 

富士山と江戸城を背景にして日本橋を描いた、江戸時代の典型的な構図による作品。

周囲にアルファベット風の飾りを描いた江戸名所シリーズのひとつで、濃い藍色を基調とした色彩や地平線を低めにとった洋風の表現が印象的。

 

第1章.都市・江戸の橋

 江戸という都市の中の橋として日本橋を描いた絵と、街道の起点として描いた絵を紹介。

日本橋が江戸の中心部に位置付けられ、また全国各地へつながる街道の、まさに出発地点として強く認識されていたことがよくわかる。

とりわけ江戸城の屋根と日本橋の姿は、江戸という地域を簡単に且つ的確に表現できる、格好のランド

マークになっていた。

橋の下を流れる日本橋川は、海に面した隅田川につながっており、この川から様々な

物資や文化が江戸に運び込まれていた。

逆に日本橋からこの川を下り、隅田川に合流した後、その上流に向かう舟は、江戸見物を楽しむ人や浅草や吉原に向かう人々を運んだ。

 

都市・江戸の陸路と水路の十字路となっていた日本橋の魅力をさぐろう。

 

 

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歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」 大判錦絵 1 枚 天保(183043)中頃

 

 江戸と京都を結ぶ東海道の、53の宿場に江戸と京都の風景を加えた55枚揃のうちのひとつ。

中央に日本橋を描き、東海道の長い旅路の幕開けを伝えるかのように、画面左右に開いた木戸を配した構図が劇的な効果を高めている。

 

 

 

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「隅田川風物図巻」日本橋部分 紙本着色 1巻 27.7×959.2 江戸中期・18世紀中頃

 

 

 

第2章.日本橋を描く~江戸城、富士山、魚河岸と~

 

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 歌川広重「東都名所 日本橋真景并ニ魚市全図」 大判錦絵 3 枚続 天保(183043)中頃

 

日本橋とその周辺地域を、俯瞰構図で広々と描いた作品。

題名にもあるように、とりわけ日本橋の下流北側に広がる魚市の賑わいのようすが詳しい。画中には大勢の人びとの姿も描かれ、魚河岸があった日本橋界隈の賑わい振りが伝わってくる。

 

 

 名所絵によくみられるように、日本橋にも絵画化される上での「定番」というものが存在する。

日本橋を描く際は、橋を東から眺め、その背景に江戸城と富士山を組み合わせる、というものが有名。

この構図を基本にして、さらに南側の高札場を描いたり、北側の下流で隆盛を極めた魚河岸の様子を盛り込んだりしたものが量産され、都市・江戸の繁栄を象徴する豪華な名所絵として人気を集めた。

その一方、同じ要素を描きつつも、大胆なアングルで日本橋を描いた面白い作品もある。

また日本橋周辺に集う多くの人びとや、さまざまな場所の賑わい振りを描くなど、当時の日本橋の活気を伝える作品もある。

 

 

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葛飾北斎「冨嶽三十六景 江戸日本橋」 大判錦絵 1 枚 天保2~4 年(1831~3)頃

北斎の錦絵を代表する揃物のひとつ。

遠近法を強調した表現が目を引くが、この作品で最もおもしろい点は、橋がほとんど見えないほど人がひしめく日本橋を、画面手前に配したことである。

北斎ならではの大胆な画面作りが魅力的な作品。

 

このように日本橋は江戸の一大名所として大いに描かれたが、同じ江戸名所として数多く描かれた隅田川と比べると、肉筆画の作品は極端に少ないのだ。

日本橋の絵画から伝わってくる商業の熱気や幕府の権威をまとった空気が、床の間に飾るような肉筆画にはあまり馴染まなかったのかもしれない。

しかしこのような空気をまとった日本橋こそ、都市ならではの名所と言えるであろう。

この章では、江戸時代の日本橋を描いた「これぞ日本橋」といった作品群が集結。

 

 

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歌川広重「東都名所年中行事 四月 日本橋初かつお」 大判錦絵 1 枚 安政元年(1854

季節感を添えて江戸名所を描いた12枚揃のひとつ。

旧暦4月の風物詩である初鰹とともに日本橋を描いたもの。擬宝珠のある柱と二人の女性の立ち姿がすっきりと印象的で、日本橋を舞台とした美人画としても楽しめる作品。

 

 

 

第3章.文明開化と日本橋

 

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筆者不詳「日本橋鳥瞰図」 絹本着色 1 57.6×91.7 明治初期

 

陰影法や遠近法を引用した洋風表現の作品で、広々とした空間が印象的。江戸後期に流行った表現であるが、高札場の横に「御免 人力車」の旗が立ち、人力車も走っていることから、人力車の営業許可が下りた明治3年(1870)以降の風景とわかる。

 

 

 江戸時代と変わらぬ木の橋のままで明治維新を迎えた日本橋だが、絵に描かれる姿は、江戸時代の定型化された名所絵から一転し、激動の時代に合わせて時々刻々と変化していく。

明治3年(1870)に営業許可を得た人力車の、日本橋の高札場横における営業開始をはじめ、明治6年(1873)の西洋型木橋への架け替え、明治15年(1882)の鉄道馬車の敷設など、日本橋はめくるめく変化をして行く。

こうして明治初期の日本橋は、文明開化の最先端をいく名所のひとつとして、鮮やかな舶来絵の具を用いた華やかな錦絵にたくさん登場することになる。

この背景には、日本橋の南側に位置する新橋が、明治5年(1872)に横浜と鉄道で結ばれたことも理由であろう。

そして明治15年には、新橋と日本橋の間に鉄道馬車が走り、同年のうちに上野、さらには浅草まで鉄道は伸びて行った。

日本橋はまさに文明開化の香りあふれるメインストリート上の、最も著名な橋になる。

その一方で、レールの上を走る鉄道馬車の登場により、歩道と車道が明確に分かれた。

電車や車が主役となる未来の道路事情が、早くも明治期の錦絵に表わされている。

 

 

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歌川芳虎「東京日本橋風景」 大判錦絵 3 枚続 明治3 年(1870

日本橋の高札場があるが、その横に「人力車」の営業所のようなものが見える。この作品は人力車の営業許可が下りた年のもので、絵師の空想も含まれているであろうが、人力車や馬車、自転車など、さまざまな乗り物が描かれていておもしろい。

 

第4章.石で造られた日本橋

 

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土屋伝「日本橋繁華之光景」 石版 1 39.6×54.1 大正15 年(昭和1・1926

 

日本橋を中心に、明るく華やかな近代都市風景を描く。

実はこの作品とそっくりな描法と構図で、関東大震災の時の日本橋付近を描いた石版画もある。

 

 

 震災の3年後に描かれたこの作品には、震災からの復興の喜びが込められている。

明治44年(1911)4月3日に開通した、現在の石造の日本橋は、平成23年(2011)に架橋100年を迎えた。

花崗岩を主要材料とした西洋風のアーチ橋に、青銅製の獅子や麒麟など日本人に親しまれたモチーフの装飾を施したこの橋によって、江戸時代以来の日本橋のイメージが一新される。

江戸時代である19世紀前半の記録によれば、当時の木造の日本橋の長さは約51メートル、幅は約7.9メートル。

それに比べて石造の橋は、幅が約27メートルと、3倍に以上に広がった。

この美しく大きな石造の橋は、近代都市・東京のランドマークのひとつとして愛され、たくさんの絵に描かれ、写真に撮られた。

幸いにして関東大震災や、第二次世界大戦の空襲でも破壊されることなく残り続け、平成11年(1999)には国の重要文化財に指定された。

この章では、石造の橋が架かってからの100年の姿を振り返る。

 

 

 

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川瀬巴水「日本橋(夜明)」 木版 1 38.8×26.6 昭和15 年(1940

 

日本橋を飾る青銅製の角柱の高さを生かした、縦の構図が印象的な作品。

石造の日本橋の美しさが見事に表現されており、日本橋川の水面や夜明けの空の繊細な表現ともあいまって、この時期の日本橋を描いた作品の代表作と言える。

 

 

1.影からくり絵巻「隅田川風物図巻」の特別展示!

 

「隅田川風物図巻」日本橋部分   

 

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「隅田川風物図巻」日本橋部分・夜景

 

 

 18世紀中頃に制作された「隅田川風物図巻」は、江戸城前の日本橋川を下って隅田川に合流し、浅草界隈を経て木母寺までさかのぼる光景を描いた、長大な絵巻。最近は、日本橋からスタートして浅草寺方面に遊びに行った、江戸時代の舟遊びの様子が伝わってくる作品として注目を集めている。

そしてこの絵巻のもうひとつの魅力は、全巻に渡って施された〈影からくり絵〉の細工である。

この展覧会では、この絵巻を初めて全画面広げたうえで、〈影からくり絵〉の技術によって浮かび上がる夜景の一部を、特殊な照明によって実演展示。

隅田川の両国橋の花火が一番の見どころだが、川沿いの家々の窓、舟の提灯など、10メートル近い絵巻に星のように散りばめられた光の演出は必見。

江戸時代の舟遊び気分を味わえる、幻想的な世界をお楽しみください!

 

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「隅田川風物図巻」両国橋部分   筆者不詳 江戸中期・18世紀中頃 江戸東京博物館蔵

 

 

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「隅田川風物図巻」両国橋部分・夜景  筆者不詳  江戸中期・18世紀中頃 江戸東京博物館蔵

 

 

*〈影からくり絵〉とは・・・・・

絵が描かれた本紙の一部を切り抜き、裏から薄い紙を貼ってあるもので、表面を暗くして裏から光を当てると、切り抜いた部分が明るく光って見える。

また、この絵巻の裏側には、さまざまな名所の名前を書いた63枚の小さな貼り札がある。

おそらくこの絵巻は、紙芝居のように絵を立てて人々に見せたもので、絵の後ろにいる人が光を調節しつつ、貼り札を読みながら名所の解説をしたのだろう。

盛り場の見世物小屋で親しまれたものと考えられている。

 

 

2.同時代資料のサプライズ展示!

 この展覧会は4章に分け、絵画を中心に据えて日本橋の歴史をたどるものだが、各章に、その時代を象徴するものや、当時の日本橋に関連のあるものも展示。

たとえば、小学校の教科書にも載っている江戸時代の医学書『解体新書』。これは、日本橋の近くにあった版元 須原屋から出版されたもの。

また文明開化の象徴である「人力車」は、日本橋の高札場の横で営業を開始して、あっという間に全国に広まった。

絵画で構成された空間の中に顔を出す、江戸博ならではサプライズ資料にも目を向けてみよう。

 

 

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         杉田玄白『解体新書』 版本 5冊 安永3 年(1774

 

 

 

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                   人力車 1 台 明治初期

 

*これら写真資料は、全て江戸東京博物館の所蔵品。

 

3.音声ガイドに江戸東京博物館館長が特別出演

 

館長の竹内誠が、音声ガイドに登場。

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昭和8年(1933)生まれの館長は、江戸文化史・近世都市史を専門とする研究者であるばかりでなく、日本橋人形町で生まれ育ったという経歴を持ち、日本橋やその周辺の街をこよなく愛する人物。

軽快な東京弁による語り口で、館長の長年の研究成果と日本橋への愛情にあふれたスペシャルトークをお楽しみください。

 

 

●会 期

平成24年5月26日()~7月16日(月・祝)/45日間

休館日:毎週月曜日(ただし7月16日(月)は開館)

開館時間:午前9時30分~午後5時30分

       土曜は午後7時30分まで(入館は閉館の30分前まで)

●会 場

江戸東京博物館 1階 展示室 (東京都墨田区横網1丁目4番1号)

●主 催

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、朝日新聞社

 

●観覧料

観覧料(税込) 特別展専用券        特別展・常設展共通券

         一般 1,000 円(800 円)    1,280 円(1,020 円)

大学生・専門学校生 800 円(640 円)    1,020 円 (810 円)

中学生(都外)・高校生・65 歳以上

                  500 円(400 円)      640 円 (510 円)

中学生(都内)・小学生 500 円(400 円)

( )内は20 名以上の団体料金。※共通券は江戸東京博物館のみで販売。

※小学生と都内に在住・在学の中学生は常設展観覧料が無料なので、共通券はなし。

※次の場合は観覧料が無料。

未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2 名まで)

 

●お問い合わせ先

江戸東京博物館 電話03-3626-9974(代表)

http://www.edo-tokyo-museum.or.jp

●展覧会ホームページ http://www.asahi.com/event/nihonbashi400/

 

☆読者プレゼント 

   1020名様にご招待券 プレゼント

   あて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp

   件名:展覧会名と会場名

   本文:ご住所、お名前

   をお書きの上どしどしご応募下さい。

   発送をもって当選と代えさせていただきます。

 


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