館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
館長 庵野秀明
特撮博物館
ミニチュアで見る昭和平成の技
巨神兵像
「巨神兵像」竹谷隆之作
2012 二馬力・G
「エヴァンゲリオン」シリーズをはじめ、数々の作品でファンを魅了してきた監督・庵野秀明。
その庵野秀明が館長を務める特撮博物館が愛媛県美術館にて期間限定で開催中だ。
この「特撮博物館」は、2012年夏、東京都現代美術館で開催されたもので、好評を博した。
だが、展示数や展示の大きさなど大規模の展覧会につき巡回館も限られており、愛媛県美術館が最初の巡回展だ。
館長、庵野秀明の創作活動の原点であり、多大な影響を与えてきたのが、幼少期からこよなく愛してきた「特撮」である。
円谷英二が開拓し、発展させた日本の特撮は、精巧なミニチュアで作られた町や山や海を舞台に、怪獣やヒーローやスーパーマシンたちが活躍し、見る者をワクワクさせて来た日本のお家芸といえる。
そして、真似のできない世界に誇れる文化で芸術なのだ。
ウルトラマン(飛行シーン用)
「帰ってきたウルトラマン」(1971年)
撮影用オリジナルを使用し復元
円谷プロ
しかし残念なことに現在では、特撮は、デジタル技術の発展と共に形を変え、その価値を見直す岐路に立たされている。
それとともに、特撮の語り部であり、貴重な財産であるミニチュアや小道具などは散逸し、失われつつあるのが現状だ。
この展覧会は、特撮のこうした状況を何とかしたいとかねてから考えてきた庵野秀明が「館長」、そして、その同志である映画監督(特技監督)・樋口真嗣を「副館長」として立ち上げた「博物館」で、それに賛同した粋な美術館が、東京都現代美術館であり、愛媛県美術館なのだ。
ミニチュアセット1
映画『巨神兵東京に現わる』
撮影セットより
会場では、数々の映画・TVで活躍したミニチュアやデザイン画など様々な資料約五百点を一堂に集めて展示し、それらを担ってきた作り手たちの技と魂を伝えている。
さらに、オリジナル特撮映画「巨神兵東京に現わる」をこの展覧会のために制作したというからその力の入れようが半端ではない。
第一級の技術と熱意をもつ特撮のプロの技が集結した「博物館」だ。
巨神兵像
「巨神兵像」竹谷隆之作
2012 二馬力・G
この展覧会では本編の上映とともにその制作過程を詳しく紹介しているので、特撮の詳細がわかり、大変興味深い。
日本が世界に誇る映像の「粋」、特撮の魅力に迫る展覧会だ。
今やハリウッドに押されているが、その基礎を作ったのが、日本の特撮だと筆者は心の底から思っている。
ムーンライトSY-3
「怪獣総進撃」(1968年)
ムーンライトSY-3
撮影用オリジナルを使用し復元
TM& 1968 TOHO CO.,LTD.
日本独自の文化である特撮を後世に伝えることで、次世代の人々に今、日本が何をすべきか、日本の強みは何なのかを考えてもらえるような示唆を感じる展覧会だ。
図録もしっかりと作り込まれた本格派。ページをめくるごとに庵野秀明館長の本気度がわかる。
特撮を芸術の域にまで高めた日本のプロ集団の仕事ぶりを学ぼう。
お見逃しなく。
海底軍艦 轟天号
「海底軍艦」(1963年)
海底軍艦 轟天号
撮影用オリジナルを使用し復元
TM& 1963 TOHO CO.,LTD.
主 催 :
「特撮博物館」実行委員会(愛媛県、南海放送)
共 催 :
愛媛新聞社
企画制作協力 :
スタジオジブリ、三鷹の森ジブリ美術館
館 長 :
庵野秀明
副館長 :
樋口真嗣
展示コーディネート :
原口智生、西村祐次
後 援 :
松山市、松山市教育委員会、愛媛県商工会議所連合会、愛媛県商工会連合会、愛媛県文化協会、(公財)愛媛県文化振興財団、愛媛県PTA連合会、愛媛県小中学校長会、愛媛県市町教育委員会連合会、愛媛県美術会、愛媛美術教育連盟、(社)愛媛県観光物産協会、(公財)松山観光コンベンション協会、愛媛県公民館連合会、 愛媛県利用生活衛生同業組合、愛媛県美容業生活衛生同業組合、愛媛県喫茶業生活衛生同業組合、四国旅客鉄道株式会社(JR四国)、伊予鉄道株式会社、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛、PNC西日本放送、四国放送、高知新聞社、RKC高知放送、広島テレビ
展示協賛 :
EPSON、ア・ファクトリー
特別協力 :
東宝、円谷プロダクション、角川書店、ピー・プロダクション、宣弘社、 手塚プロダクション、本多フィルム、Eternal Universe
協 力 :
特撮研究所、早稲田大学芸術科学センター安藤紘平研究室、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン、グッドスマイルカンパニー、原口智生コレクション、M1号、カラー
会期
平成25年4月3日(水)~6月23日(日)
休館日
毎週月曜日(ただし、5月6日(月・祝)、6月3日(月)は開館、5月7日(火)、6月4日(火)を休館)
※愛媛県美術館は、第一月曜及び月曜にあたる祝日を開館し、翌火曜日を休館。
開館時間
9時40分~18時00分(入場は17時30分まで)
観覧料金
観覧料
当日券 団体(20名以上)、満65歳以上の方
大 人
1,300円 1,100円
高大生
900円 700円
小中生
400円 200円
※満65歳以上の方は生年月日がわかるものをご呈示のこと。
※障害がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料。 障がい者手帳等をご呈示のこと。
※企画展半券で所蔵品展も鑑賞可
ミニチュアセット2
映画『巨神兵東京に現わる』
撮影セットより
ミニチュアセット3
映画『巨神兵東京に現わる』
撮影セットより
☆イベント
館長庵野秀明 特撮博物館 円谷プロ特撮作品上映会 樋口監督もいるよスペシャル!
この展覧会に関連して特別に選定された円谷プロダクション作品の上映会を開催。
本展副館長・樋口真嗣監督をゲストに迎え、楽しいトークを交えての作品鑑賞を行うほか、樋口監督のサイン会も実施。
月日:2013年5月4日(土・祝)
会場:愛媛県美術館新館1階講堂
ゲスト:樋口真嗣(特撮博物館副館長・映画監督)
MC:中村知純(日本テレビ放送網「特撮博物館」プロデューサー)、月岡瞳(南海放送アナウンサー)
※事前の申し込みは不要。当日会場集合。
※会場の座席数には限りがございますので、予めご了承のこと。
【午前のプログラム】時間:10:40~12:15
特撮博物館開催記念版DVD-BOX 「円谷特殊技術研究所」(監修:庵野秀明)より
『ウルトラマンタロウ』:第33話「ウルトラの国大爆発5秒前!」
『ウルトラファイト』より (樋口副館長 選)
『ウルトラマン80』 :第44話「激ファイト!80VSウルトラセブン」
スペシャルトークゲスト:樋口真嗣 副館長
【午後のプログラム】時間:13:30~16:00
「特撮博物館」松山展開催記念特別上映作品
※『ウルトラファイト』はDVD-BOX 「円谷特殊技術研究所」(監修:庵野秀明)より
『帰ってきたウルトラマン』:第5話「二大怪獣 東京を襲撃」
『ウルトラファイト』より (樋口副館長 選)
『帰ってきたウルトラマン』:第6話「決戦! 怪獣対マット」
『ウルトラマンメビウス』:第2話「俺達の翼」
スペシャルトークゲスト:樋口真嗣 副館長
【樋口真嗣 副館長サイン会】
?時間:16:00~16:30
場所:上映会開催会場(講堂)付近にて(予定)
?対象:本上映会にご参加の方のうち、本展図録、ならびにDVD-BOX「円谷特殊技術研究所」をお持ちの方に限る。
事前に本展図録、ならびに対象商品をご購入の上サイン会にご参加のこと。 (既にご購入済みの方は当日ご持参のこと。)
☆三池敏夫講演会「特撮美術の現場より‐『ゴジラ FINAL WARS』から『のぼうの城』まで‐」
日時:5/5(日)13:30~15:00(13:00開場)
講師:三池敏夫(特撮美術)
会場:愛媛県美術館1階講堂
対象:小学生以上(先着100名)
※特撮美術デザイナーとして数々の作品を手掛け、近年では特技監督としても活躍する三池敏夫氏による、90分間のミニチュア特撮講演会が行われる!
映像を観ながら、普段は聞けない貴重なお話をたっぷりと堪能しミニチュア特撮の真髄に触れていたける絶好の機会だ。
※お申し込みはお電話で愛媛県美術館(TEL.089-932-0010)まで。
☆特撮博物館 ヒーロー&怪獣なりきり写真コンテスト
概要:会場内(有料ゾーン・無料ゾーンいずれも可)の写真撮影可能ゾーンで、ヒーローや怪獣などになりきり、「特撮博物館」の魅力を写真に込めて自由に表現してください。
・募集期間:6月16日(日)まで(詳細は愛媛県美術館まで)
◆展覧会に関連し、松山市内の映画館での上映が決定!
○シネマサンシャイン大街道にて「特撮博物館」副館長、樋口真嗣特技監督特集として、映画の上映が決定。
撮展チケット(半券可)提示で、一般・高大生は200円割引に。
○シネマルナティックにて映画上映が決定。
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:UPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
※画像の無断転載禁止
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