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歌川国芳展  ~奇想の浮世絵師による江戸案内~ [美術館  ARTNEWS アートニューズ]

歌川国芳展

~奇想の浮世絵師による江戸案内~

 

 

身近なテーマで親しみやすい展示構成

 

代表作から初公開作品まで~浮世絵 約120点を展観!

 

国芳の絵が語る~華やかな江戸の文化や風俗、娯楽を堪能できる貴重な機会!!

 

あふれる楽しさや驚き~時代を超えたエンターテインメント!!!

 

人気急上昇中の国芳の魅力を一堂に

 

 

大丸福岡天神店で、初公開作品を含めた画期的な歌川国芳展が開催中である。

 

 

讃岐院眷属をして為朝をすくふ図(左).jpg讃岐院眷属をして為朝をすくふ図(中).jpg讃岐院眷属をして為朝をすくふ図(右).jpg

「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」

 

 

【歌川国芳とは?】

 幕末の浮世絵師・歌川国芳(1797-1861年)は、奇想天外なアイデアと斬新なデザイン力で個性的な作品を数多く残している。

ユーモアに溢れた戯画や、力強く大胆な構図の武者絵など、題材やジャンルは多岐にわたり、浮世絵の枠にとどまらない多彩な魅力が近年国内外で注目を集めている。

2009年にロンドンで、2010年にニューヨークで「KUNIYOSHI」展が開催され、国際的に高い評価を得た。

2011年から2012年にかけて大阪・静岡・東京で開催された「没後150年 歌川国芳展」では、浮世絵ファンのみならず、現代のデザイン関係者や若い世代の間でも大きな反響を呼んだ。

 

以前行われた国芳展は以下で紹介しているので参照されたし。

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01-1

 

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19

 

 

 

また、「はじまりは国芳 -江戸スピリットのゆくえ」展が横浜美術館で2013114日まで開催されていた。

筆者も以下で記している。参照されたし。

 

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04

 

 

この大丸福岡天神店で開催中の展覧会は、上記の展覧会とは全く違ったコンセプトで構成されており、江戸時代にタイムスリップし、鑑賞者自身が国芳の描いた江戸時代を散歩するようだ。

しかも、上記3種の展覧会の後の展覧会にも関わらず、初公開作品が18件もあるのは驚異といえよう。

 

 

【展覧会の見どころ】

1.花のお江戸のファッション・グルメ

 花のお江戸のファッションは、「粋」が身上。

女も男も流行には敏感であった。

国芳が描く着物やかんざしなどの装飾品からは当時の粋なトレンドが分かる。

すっきりとした縞の着物が似合う元気なおきゃん、勇み肌のいなせな男の中の男のスタイルを堪能できる。

また、いつの時代も食は女性の楽しみ。

人気のお菓子屋に並び、江戸前の寿司やうなぎを味わう姿も描かれている。

江戸時代のファッション雑誌を眺めるような感覚を味わえる。

 

 国芳もやう正札附現金男野晒し吾助.jpg

  「国芳もやう正札附現金男 野晒吾助」

 

2.季節を楽しむ江戸っ子のレジャー

 江戸美人が季節ごとに楽しむ花見や花火、夕涼み、雪あそびなど四季折々の風物や、曲馬などの見世物興業、盛り場のにぎわいなど江戸の生活に根ざす娯楽がいきいきと描き出されている。

また子供の季節の遊びも数多く描いており、川遊びや相撲、いくさごっこなどに興じる愛らしい姿からは、国芳の子供に対する暖かい眼差しが感じられる。

 

両国の花火(左).jpg両国の花火(中).jpg両国の花火(右).jpg 

「両国の花火」

 

3.国芳の江戸散歩

 自然の中に人々の生活の営みを描き出した国芳の風景画を通して、江戸の名所を紹介。

一種シュールでどこかエキゾチックな描写は、ダイナミックな北斎や叙情的な広重の名所風景とも一線を画している。

西洋画法を学んだ国芳の風景画は、カメラ・アングルを感じさせ、あたかもある日のスナップ写真を見るように、江戸の町を描いている。

国芳の筆に乗って、江戸の町にタイム・スリップしてみよう。

 

 

東都富士見三十六景昌平坂.jpg 

「東都富士見三十六景 昌平坂の遠景」

 

 

4.江戸のコミカルワールド

 底抜けに明るいユーモアとウィットに富んだ戯画は国芳の独壇場。

天保の改革によって役者絵、遊女・芸者風俗の絵が禁止されたことがかえって縦横無尽な発想を生む事となった。

擬人化された動物や化物のコミカルな世界をはじめ、パズルのようなはめ絵や影絵、猫の曲芸図など洒落た江戸っ子のエスプリを十分に味わえる。

「人をばかにした人だ」は、ジュゼッペ・アルチンボルドからの影響を筆者は感じている。その証拠資料は探せていないが、西洋画を学び取りいれた国芳なら、ジュゼッペ・アルチンボルドの絵を見ていたに違いない。

ジュゼッペ・アルチンボルドについては、こちらを参照されたし。

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-06-14

 

人をばかにした人だ.jpg 

「人をばかにした人だ」

 

 

絵鏡台合かゞ身A.jpg 絵鏡台合かゞ身B.jpg

「絵鏡台合かゞ身(猫/しゝ・みゝづく・はんにやあめん)」

 

 

おぼろ月猫の盛.jpg 

「おぼろ月猫の盛」

 

 

5.英雄たちの大冒険

 当時の江戸では冒険奇談の小説が流行し、超人的な活躍を繰り広げる英雄たちが国芳の筆によって鮮やかに描き出され、江戸の人々は胸を躍らせた。

特に「水滸伝シリーズ」で一躍脚光を浴びることになった国芳の出世作といえる武者絵は迫力満点。

中でもワイドな画面を活かしてスペクタクルに描いた大判三枚続の作品には、イマジネーションを絵画化する国芳の卓越した手腕が表れている。

 

 

相馬の古内裏_左.jpg相馬の古内裏_中.jpg相馬の古内裏_右.jpg 

「相馬の古内裏」

 

 

★★初公開作品★★

てるてる坊主が踊る愉快な図を描いた、「てるてる坊主おひよりおどり」、氷で冷やした水菓子を持つ美人図、「逢身八懐 湯しま暮雪」など、これまで展示されたことのない初公開の作品も!

 

てるてる坊主おひよりおどり.jpg 

てるてる坊主おひよりおどり

 

 

 

逢身八懐湯しま暮雪.jpg 

逢身八懐 湯しま暮雪

 

 

 

 

 

国芳の作品の中でもクオリティの高い作品群と初めて公開されるような大変珍しい作品が展示されている。

図録は、まるで江戸の粋散歩のガイドブック。

ファッションやグルメなど江戸を知る上で有用なのはもちろん、国芳の才能の多様性を鑑賞する上で大変優れている。

この展覧会は必見!

お見逃しなく。

 

 

★★大丸松坂屋グループに関連する作品★★

 「柳桜亭花也の摺物」 は、小唄を好んだ花也(長州藩主毛利斉元)が、私家版の豪華な摺物として江戸で作ったもの。

桜の花の枠の中に描かれているのは、蚊帳売りの担う荷物。

三味線を膝にしているのは、当時の人気歌舞伎役者、三代目尾上菊五郎の似顔。

書かれている小唄には、「大丸の包みほどけば新染ゆかた あれかこれかと選るうちに 蚊帳蚊帳 アレよい声ととんで出る 浮気性ではないかいな」とある。

寛保3年(1743)に江戸店を開業した大丸は呉服店として繁盛を極め、店の出す新形の染物は当時の人気を集めた。

 

 

柳桜亭花也の摺物

 

 

また「松坂屋前」では、松坂屋前の賑わいが描かれている。

 

松坂屋前

 

 

 会期:2013424日(水)~56日(月・祝)

 *会期中無休

会場:大丸福岡天神店 本館8階特別会場 

主催: 日本経済新聞社、神戸新聞社

監修: 岩切友里子(浮世絵研究家)

入場時間:10時~1930分(20時閉場) 

*最終日は1630分まで(17時閉場)

入 場 料:一般・大高生800円(600円)、中学生以下無料 <税込み>

       ※( )は団体(10名様以上)料金、

         DAIMARU CARD、大丸松坂屋友の会カード会員証をお持ちの方。

 

 

☆読者プレゼント 

   1020名様にご招待券 プレゼント

   あて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp

   件名:展覧会名と会場名

   本文:ご住所、お名前

   をお書きの上どしどしご応募下さい。

       締切:UPした日の午前零時

   発送をもって当選と代えさせていただきます。

 

 

※画像の無断転載禁止

 

☆巡回予定

長崎歴史文化博物館

201368日(土)~724日(水)

 


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そら

浦先生ですか??
以前、神戸の某専門学校で浦先生に教えてもらいました。

by そら (2013-05-03 12:30) 

浦 典子 NORIKO URA

コメント、ありがとうございます。
駿台のスチュワーデス学科でしょうか。
それなら、教えていました。
覚えていて下さいましてありがとうございます。
若気の至りで至らぬ講師で申し訳ないと思っております。
美術を鑑賞することも接客業として必要なことだと思います。
興味を持って下さいましてありがとうございます。
私の記事がお仕事にも活かされるよう祈っております。
by 浦 典子 NORIKO URA (2013-05-03 18:16) 

浦 典子 NORIKO URA

そら様 
御無沙汰いたしております。
その後、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。 
さて、九州国立博物館で「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」が開催中です。
東京での展覧会については、私は以下などに記しています。
ご覧いただけましたら幸いです。
   http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2018-04-25
そこで、よろしければ私の代わりに九州国立博物館にこの展覧会をご覧になりませんか。
もちろん、入場料はかからないようにいたします。
ご友人など2~3人で行かれても結構です。
お子様を連れて行かれるのならその旨、言っておきますので大丈夫です。
よい展覧会ですので、ぜひ行かれることをお勧めいたします。
よろしければご連絡いただけますでしょうか。
毎日の気温の差が大きいようです。
くれぐれもご自愛くださいませ。
よい御返事をお待ちいたしております。
本来は手紙で礼を尽くすべきですが、取り急ぎ、メイルにて御願い申し上げます。



by 浦 典子 NORIKO URA (2018-05-23 20:46) 

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