生誕130年 ユトリロ展 [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
「パリ、その愛」。純粋な心と苦悩。
パリの詩情あふれる風景を描き続け、“モンマルトルの画家”といわれたモーリス・ユトリロ(1883~1955)の生誕130年記念の回顧展が大阪髙島屋で開催中だ。
ユトリロは、モデルで画家のシュザンヌ・ヴァラドンの私生児として生まれる。
ルノワールの「ブージヴァルの舞踏会」、「都会のダンス」(オルセー美術館蔵)、パリ大学大講堂にあるシャヴァンヌ作「聖なる森」、ロートレックの「二日酔い」は、シュザンヌ・ヴァラドンがモデルである。奔放な母のもとで育ったせいか、少年時代からアルコール依存症に陥る。そのリハビリとして絵を描くようになったのが、画家になるきっかけであった。
その才能は瞬く間に開花し、数々の名作を世に送り出す。
その一方でアルコール依存症の影響や近親者たちとの葛藤から、多くの悩みを抱える苦悩の人生を歩むことになる。
絵を描くことは、ユトリロにとっては孤独な魂の救済であったのかもしれない。
この展覧会では、初期から絶筆までの、日本初公開を40点以上含む70余点を一堂に展覧するユトリロの全貌を紹介する展覧会だ。
筆者は2009年3月6日~9月15日までパリのピナコテーク美術館で開かれていた「スザンヌヴァラドンとモーリス·ユトリロ」展を鑑賞したが、そこには、八木コレクションの作品も展示されていた。
http://www.pinacotheque.com/?id=578
あれから、4年。
生誕130年を記念したユトリロの展覧会は、期待大だ。
パリの町を歩いていると時々、ユトリロの絵の中に入り込んだような錯覚を覚える。
自分がパリの風景を見ているというよりは、ユトリロという強烈なフィルターを自然と通してしまっているのかもしれない。
ユトリロの絵を見ていると、ユトリロの心の悲しみや空虚感に同調する自分に気づく。
母が恋しかっただろうな、寂しかっただろうなとその絵のみならず、作者のユトリロに肩入れしてしまう。
傷つきながらも純粋な魂を表現したその絵は、人の心に深く刻まれるのだ。
ぜひ、お見逃しなく。
■2013年5月8日(水) → 20日(月)
■大阪髙島屋 7階グランドホール
■開場時間:午前10時~午後8時※最終日は午後5時閉場。(ご入場は閉場30分前まで)
■入場料〈税込〉:一般1,000円(800円)、大学・高校生800円(600円)、中学生以下無料
■主催:NHKサービスセンター、毎日新聞社
■企画協力:IS ART INC.※( )内は団体10名様以上の割引料金。
※当催については、「障害者手帳」をご提示いただいたご本人様、ならびに、ご同伴者1名様まで入場無料とさせていただきます。
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あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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