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「ワシントン・ ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」 [美術館  ARTNEWS アートニューズ]

 「ワシントン・ ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派
 
奇跡のコレクション」
 

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エドゥアール・マネ 《鉄道》

1873 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, WashingtonGift of Horace Havemeyer in memory of his mother, Louisine W. Havemeyer

201168()から95()まで、国立新美術館において、「ワシントン・ ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」が開催されている。

 アメリカの首都、ワシントンD.C.に位置するワシントン・ナショナル・ギャラリーは、12世紀から現代 に至るまでの西洋美術コレクション約12万点を所蔵する、世界有数の規模と質を誇る美術館。

1963年にパリのルーブル美術館所蔵のルネッサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチのあまりにも有名な絵画「モナ・リザ」が世界で初めて館外で公開された美術館である。

http://www.nga.gov/past/data/exh222.shtm

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モナ・リザ』 レオナルド・ダ・ヴィンチ 本展未出展

また、ワシントン・ナショナル・ギャラリーは、レオナルド・ダ・ヴィンチ『ジネヴラ・デ・ベンチの肖像』を所蔵しているが、これは西半球唯一のダ・ヴィンチ作品である。

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『ジネヴラ・デ・ベンチの肖像』 レオナルド・ダ・ヴィンチ 本展未出展 

その所蔵作品のすべては、創設者とその志に賛同した一般市民からの寄贈によって成り立って おり、それはまさに「アメリカ市民が創った奇跡のコレクション」と言えよう。

その印象派のコレクションは、世界で最もクオリティの高いとも言われている。

ワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する12万点の作品の中でも、特に質の高さと絶大な人気を誇るのが、その数およそ400点の印象派とポスト印象派の作品群である。

 本展では、同館でも特に質が高いことで知られる印象派とポスト印象派の作品の中から、日本 初公開約 50点を含む全 83点が展示されている。

いずれも美術史において印象派やポスト印象派 を語る上で欠かせない傑作の数々で、しかも同館の心臓部ともいえる「常設コレクション作品」に指定されている傑作が9点も含まれるという豪華さはありえないほどの貴重な展覧会である。 

「常設コレクション作品」は一度に12点までしか貸し出すことが出来ないという不文律があり、これほどの点数がまとまって貸し出されるのは極めて稀である。

 

ワシントン・ナショナル・ギャラリーでは、作品寄贈者の意向などにより所蔵作品の多くは、貸し出しが厳しく制限されている。

このため同館は、一度に多数の作品を紹介する大規模な「美術館展」の開催が極めて困難な美術館のひとつである。

日本で初めて「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」が開催されたのは1999年。今回はそれ以来、12年ぶりの開催。

 

クールベやコローらバルビゾン派や写実主義を導入部とし、印象派の先駆者といわれるブーダンやマネを経て、モネ、ルノワール、ピサロ、ドガ、カサットら印象派に至り、セザンヌ、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、スーラなど、それぞれの表現によって印象派を乗り越えていったポスト印象派に続く。

 

17年ぶりに来日するエドゥアール・マネの《鉄道》、日本初公開のフィンセント・ファン・ゴッホの《自画像》、ポール・セザンヌの《赤いチョッキの少年》、そして同じくセザンヌが父を描いた初期の名作《『レヴェヌマン』紙を読む父》など、いずれもワシントン・ナショナル・ギャラリーの「顔」、美術史において印象派、ポスト印象派を語る上で欠かせない名作の数々。

 世界中から年間500万人の美術ファンが訪れるワシントン・ナショナル・ギャラリー。

同館には、「常設コレクション作品」と呼ばれる作品群があり、傑作の多くがそれに指定されている。来館者の多くは、美術館の「顔」であるこれらを観るために訪れるといっても過言ではない。
同館の全所蔵作品のうち現在「常設コレクション作品」に指定されているのは2,334点(*)。

うち66点がフランス絵画。本展には、9点の「常設コレクション作品」が出展される。

これはひとつの展覧会に出される点数としてはワシントン・ナショナル・ギャラリー史上最多で、館長が、「70年におよぶワシントン・ナショナル・ギャラリーの歴史上かつてない、そしてこれからもないであろう」と語るくらい、空前の質と規模の展覧会といえよう。

 

*) 201011月 ワシントン・ナショナル・ギャラリー公表データによる

 本展に含まれる、常設コレクション作品

エドゥアール・マネ 《鉄道》、フレデリック・バジール《若い女性と牡丹》、クロード・モネ 《揺りかご、カミーユと画家の息子ジャン》、クロード・モネ 《日傘の女性、モネ夫人と息子》、ピエール=オーギュスト・ルノワール 《踊り子》、 メアリー・カサット 《青いひじ掛け椅子の少女》、メアリー・カサット 《麦わら帽子の子ども》、ポール・セザンヌ 《赤いチョッキの少年》、ジョルジュ・スーラ 《オンフルールの灯台》。 

印象派、ポスト印象派の画家たちが手がけたのは油彩画ばかりではない。

彼らは素描や水彩、パステル、そして様々な種類の版画等、紙を支持体とした様々な表現にも積極的に取り組んでいた。

今回はその中でも特に、版画が多く出展されている。これらの画家たちが活躍した時代は、写真が広く普及していった時代でもあった。それまで版画が担ってきた記録性の高い複製メディアとしての役割は、写真に取って代わられてしまう。

 その結果、版画はそれぞれの芸術家に独自の表現や芸術性を追及する方向を強めていった。油彩画の影に隠れがちな素描や水彩等その他の媒体でも、芸術家自身の個性に従った表現が、より自由なかたちで探求された時代でもあった。
本展に出展される紙を支持体とした作品は、ワシントン・ナショナル・ギャラリー内ですら滅多に展示されず倉庫に眠っている。

これらは、油彩画に比べ、大変デリケートで光に弱い。作品保護の観点から、これらの作品は同館が所蔵する限り、1作品あたり15回までしか館外へ貸し出ししてはならない、という規定がある。

本展への出展は、まさにその貴重な1回である。 

まさに、「これを見ずに、印象派は語れない」。

 お見逃しなく!

  開催情報は変更となる場合があります。最新の情報は、公式サイト、ハローダイヤルでご確認ください。http://www.ntv.co.jp/washington/index.html 

会期201168日(水)- 201195()
会場国立新美術館 企画展示室1E
106-8558  東京都港区六本木7-22-2 
開館時間午前10-午後6時 (金曜は午後8時まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日毎週火曜日
お問合せTEL 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
主催国立新美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社
後援外務省、アメリカ大使館
協賛大日本印刷、日本興亜損保
協力全日本空輸、日本貨物航空、日本通運、JR東日本、BS日テレ、
シーエス日本、ラジオ日本、J-WAVE、文化放送、tvk
企画協力NTVヨーロッパ
 

主なみどころ

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 ジャン=バティスト=カミーユ・コロー 《うなぎを獲る人々》 1860/1865年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, Washington

Gift of Mr. and Mrs. P.H.B. Frelinghuysen in memory of her father and mother, Mr. and Mrs. H.O. Havemeyer  

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エドゥアール・マネ 《オペラ座の仮面舞踏会》 1873年 油彩・カンヴァスNational Gallery of Art, Washington

Gift of Mrs. Horace Havemeyer in memory of her mother-in-law, Louisine W. Havemeyer

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エドゥアール・マネ 《鉄道》 1873年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, Washington

Gift of Horace Havemeyer in memory of his mother, Louisine W. Havemeyer

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カミーユ・ピサロ 《カルーゼル広場、パリ》 1900年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, Washington

Ailsa Mellon Bruce Collection

 

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エドガー・ドガ 《舞台裏の踊り子》 1876/1883年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, Washington

Ailsa Mellon Bruce Collection

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クロード・モネ 《ヴェトゥイユの画家の庭》 1880年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, Washington

Ailsa Mellon Bruce Collection

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ピエール=オーギュスト・ルノワール 《ポン・ヌフ、パリ》 1872年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, Washington

Ailsa Mellon Bruce Collection

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ピエール=オーギュスト・ルノワール 《モネ夫人とその息子》 1874年 油彩・カンヴァスNational Gallery of Art, Washington

Ailsa Mellon Bruce Collection

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メアリー・カサット 《青いひじ掛け椅子の少女》 1878年 油彩・カンヴァスNational Gallery of Art, WashingtonCollection of Mr. and Mrs. Paul Mellon  

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10アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《アンバサドゥールの粋な人々》 1893年 油彩(精油)、黒炭・厚紙に貼られた網目紙 National Gallery of Art, Washington

Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon

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11ポール・セザンヌ 《「レヴェヌマン」 紙を読む画家の父》 1866年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, WashingtonCollection of Mr. and Mrs. Paul Mellon  

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12ポール・セザンヌ 《赤いチョッキの少年》 1888-1890年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, WashingtonCollection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, in Honor of the 50th Anniversary of the National Gallery of Art   

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13ポール・ゴーギャン 《ブルターニュの踊る少女たち、ポン・タヴェン》 1888年 油彩・カンヴァスNational Gallery of Art, Washington

Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon

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14フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1889年 油彩・カンヴァスNational Gallery of Art, WashingtonCollection of Mr. and Mrs. John Hay Whitney 

  

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15フィンセント・ファン・ゴッホ 《薔薇》 1890年 油彩・カンヴァス National Gallery of Art, Washington

Gift of Pamela Harriman in memory of W. Averell Harriman

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16ジョルジュ・スーラ 《オンフルールの灯台》1886年 油彩・カンヴァスNational Gallery of Art, WashingtonCollection of Mr. and Mrs. Paul Mellon 

 読者プレゼント 510名様にご招待券 

プレゼントあて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp に展覧会名 ご住所、お名前をお書きの上どしどしご応募下さい。発送をもって当選と代えさせていただきます。  

なお、こののち京都に巡回する。  

会期2011913()1127()
会場京都市美術館 (京都市左京区・岡崎公園内)
主催京都市美術館、読売テレビ、読売新聞社
後援外務省、アメリカ大使館
協賛大日本印刷、日本興亜損保、岩谷産業、関西アーバン銀行、きんでん、
パナソニック、丸一鋼管
協力全日本空輸、日本貨物航空、日本通運
企画協力NTVヨーロッパ
 
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コメント 1

行って来ました。お勧めどおりよかったです。すごい由緒ある美術館だったんですね。モナリザが来た美術館とは知りませんでした。情報、ありがとうございました。
by (2011-07-11 02:32) 

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