浮世絵師 歌川国芳展 [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
浮世絵師 歌川国芳展
歌川国芳 《坂田怪童丸》 天保7(1836)年頃
江戸、幕末期に活躍した絵師・歌川国芳(1797~1861)の画業を紹介する大回顧展が、広島県立美術館で好評開催中だ。
後期展示が9月28日(月)から始まった。
歌川国芳についての展覧会は以下などで紹介して来ているので参照されたし。
「没後150年 歌川国芳展」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01-1
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04
「はじまりは国芳
-江戸スピリットのゆくえ The Spirit of KUNIYOSHI ‒ From Ukiyoe to
Japanese Modern Paintings」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04
「歌川国芳展 ~奇想の浮世絵師による江戸案内~」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-01-23-1
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-05-03-1
札幌芸術の森美術館で開催された後、現在、広島県立美術館にて開かれている展覧会は、これらとはまったく違う展覧会だ。
札幌芸術の森美術館で開催された展覧会については、以下で記しているので参照されたし。
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-06-10
歌川国芳 《其まゝ地口猫飼好五十三疋(下)》 嘉永元(1848)年頃
筆者は、2009年、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで大英博物館所蔵品による「KUNIYOSHI」展のオープニングセレモニーに招待され、ロンドンで拝見した。
あの審美眼の鋭いロンドンっ子達から大絶賛を受けていたのが、この国芳だ。それから、筆者は、国芳のとりこになった。
☆ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(Royal Academy of Arts)のホームページ
https://www.royalacademy.org.uk/
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツは1769年に開校した歴史ある美術館だ。
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツは王立とはいえ、王室や政府から支援を受けておらず、ここで行われる美術展は非常に質が高いことでも有名だ。
そこで評価を受けた国芳なので、この展覧会は期待大だ。
国芳の作品は多岐に渡り、その作品群は浮世絵の枠にとどまらない魅力を持つ作品を多数生み出した。
大判サイズの紙を横に三枚つなげた迫力あるワイド画面の妖怪画。
遠近法と明暗法を駆使した近代の到来を思わせる風景画。
町に暮らす女たちを日常の美とともに小粋に描きだした美人画。
検閲とのじりじりとしたせめぎ合いを匂わせる社会諷刺画。
珍奇で洒脱で浮世絵界での「笑い」を高めた滑稽画。
そして、国芳の真骨頂である勧善懲悪英雄たちを力強く描きあげた武者絵。
どのジャンルの作品も確かな画力と巧みな表現力を駆使しており、見るものを惹きつける。
この展覧会では、英雄たちをダイナミックに描いた出世作“ 水滸伝” シリーズをはじめ、身近な猫や狐・狸などの動物を擬人化し世相を風刺したパロディ絵、洋風表現を取り入れた風景画、残存数の少ない肉筆画など、代表作を含めた約200点を展示。
この展覧会のことは、元京都国立博物館学芸部部長 村上隆学術博士から、去年、高岡市美術館で行われた、この国芳展のことをお聞きしていた。
村上隆博士は、この展覧会のことを大変気に入っていらっしゃるようで、熱心に筆者に語って下さった。
しかし、筆者は海外出張などでばたばたしていたのでそのままになってしまい、高岡市美術館での展覧会については紹介ができなかった。大変申し訳なく思っている。
高岡地方のかたから筆者の書いた別の国芳展を読んで、展覧会に行ったというご意見を多数いただけたので、少しは貢献できたとしたらうれしいが・・・。
さて、特別展「四大浮世絵師展」について筆者は以下で紹介している。
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-11-17
これらの企画をしたのが、株式会社 アートワンという会社だ。
筆者はこの「浮世絵師
歌川国芳展」で初めて知った。
この展覧会も「四大浮世絵師展」も中右瑛 国際浮世絵学会常任理事が監修している。
中右瑛に関しては以下などで紹介しているので参照されたし。
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-11-17
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-03-26
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-02-06
【後編のみどころ】
歌川国芳 《朝比奈小人嶋遊》
弘化4-嘉永5(1847-52)年頃や 《相馬の古内裏》 弘化2-3(1845-46)年頃など迫力ある作品。
歌川国芳 《朝比奈小人嶋遊》
弘化4-嘉永5(1847-52)年頃(後期展示:9/28(月)~10/18(日))
歌川国芳 《相馬の古内裏》 弘化2-3(1845-46)年頃(後期展示:9/28(月)~10/18(日))
図録も大変興味深く、体系的にまとめられているので、歌川国芳の教科書のようで、ぜひ手元に置きたい。
ぜひ、お見逃しなく。
☆参考
歌川国芳 《みかけハこハゐがとんだいゝ人だ》 弘化4(1847)年頃(前期展示:9/11(金)~9/27日(日))
歌川国芳 《宮本武蔵と巨鯨》 弘化4(1847)年頃(前期展示:9/11(金)~9/27日(日))
会期:2015年9月11日(金)~10月18日(日)
前期展示:9月11日(金)~9月27日(日) 後期展示:9月28日(月)~10月18日(日)
開館時間:9:00~17:00
会場:3階企画展示室
※金曜日は20:00まで開館
※入場は閉館の30分前まで
チケット情報
当 日 前売・団体
一 般 1,100円
900円
高・大学生 700円 500円
小・中学生 400円 200円
※ 団体は20名以上
※ 学生券をお求めの際は学生証のご提示のこと。
※ 身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳及び戦傷病者手帳の所持者と介助者(1名まで)の当日料金は半額。
※ 本券でHPAMコレクション展も鑑賞可。
☆広島県立美術館ホームページ
☆学芸員によるギャラリートーク
日時:毎週金曜日
11:00~ 10/2、10/16
18:00~ 10/9
※聴講無料。入館券をお求めの上、会場入口に集合のこと。
☆奇想天外!国芳ふせんプレゼント
国芳の描いた奇想天外!な猫をモチーフにした「奇想天外!国芳ふせん」を下記の日時限定で配布。他では手に入らない限定グッズ。
会期中の金曜日17:00~先着20名様にプレゼント!
会期中の土日祝9:00~先着30名様にプレゼント
☆同時開催のHPAMコレクション展(2階)
9月20日~1月6日
美の競演ー京都の美へのオマージュ
9月30日~1月6日
新しい仲間たちを紹介!ー平成26年度に収集した作品を中心に
主催 広島県立美術館、中国新聞社、中国放送、イズミテクノ
後援 広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、広島エフエム放送、FMちゅーピー76.6MHz、エフエムふくやま、尾道エフエム放送、FMはつかいち76.1MHz、FM東広島89.7
協賛 広島県信用組合
企画協力 アートワン
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:UPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
※人物名の表記は、敬称略。
※画像および記事の無断転載禁止
サンフランシスコ美術館(Fine Arts Museums of San Francisco)の歌川国芳のコレクションは...
http://art.famsf.org/utagawa-kuniyoshi
by サンフランシスコ人 (2015-10-02 01:20)
いつもいろいろお教え下さいまして、ありがとうございます。
栗木達介について以下で記しているのですが、
サンフランシスコの美術館の美術館にも所蔵されているとの情報を得ているのですが、調べたが、今現在どこの美術館が所蔵しているのかは残念ながら判明していないのです。
よろしければお教えいただけないでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
季節の変わり目でございます。 ご自愛下さいませ。
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
by 浦 典子 NORIKO URA (2015-10-02 12:54)
わかりません......現在、日本人の陶芸作家は、金子潤を除いてサンフランシスコの新聞に登場しません...
by サンフランシスコ人 (2015-10-07 02:03)
お手数を取らせました。ありがとうございます。
もしわかりましたら、お教え下さいませ。引き続き、お調べ下さいますよう
どうぞよろしくお願いいたします。
私も調査を継続いたします。
by 浦 典子 NORIKO URA (2015-10-07 10:32)
今月、金子潤展をサンフランシスコの画廊で見ましたが、他の人の作品はありませんでした...
http://renabranstengallery.com/exhibitions/kaneko-2015/kaneko-2015-install-janca1
by サンフランシスコ人 (2015-10-08 02:34)
サンフランシスコ美術館(Fine Arts Museums of San Francisco)の陶芸コレクションは....
http://art.famsf.org/search?f[0]=field_art_image_available%3A1&f[1]=field_art_class%3A685&f[2]=field_art_country%3A650
対象外......この美術館ではないです....
by サンフランシスコ人 (2015-10-10 05:59)
「引き続き、お調べ下さい....」
図書館・書店で調べましたが、栗木達介についてはありませんでした...
by サンフランシスコ人 (2015-10-13 03:03)
さすがです。いろいろ手を尽くして下さいまして、ありがとうございます。
一昨日、京都近代美術館の学芸員のかたに8月に引き続き再度質問しましたが、「調べていない」という答えでしたので、大変がっかりしているところです。
例えば、SFOの美術館に所蔵されたばかりでまだ公にはしていないということはないでしょうか。
私は、SFOの美術館にwebから質問をしているのですが、未だ回答が来ていないです。
お手数ですが、ここかもというSFOの美術館の学芸員に直接聞いていただけませんでしょうか。アートニューズからの依頼と言っていただいても構いません。
どうぞよろしくお願いいたします。
by 浦 典子 NORIKO URA (2015-10-13 13:07)
「調べましたが、栗木達介についてはありません....」
Yoko OnoとYayoi Kusamaに関しては大変勉強になりました..
by サンフランシスコ人 (2015-10-14 05:46)
「引き続き、お調べ下さい....」
http://www.mirviss.com/artworks/kuriki-tatsusuke/
サンフランシスコでないです...
by サンフランシスコ人 (2015-10-20 08:01)
「金子潤展をサンフランシスコの画廊で見ました....」
金子潤展をメンフィス(テネシー州にある都市)で開催中
http://www.dixon.org/
http://www.memphismagazine.com/July-2015/Jun-Kaneko-at-the-Dixon-Gallery-and-Gardens/
by サンフランシスコ人 (2015-11-01 06:27)
あれから調べましたが、栗木達介については見つかりませんでした...30年前に日本陶磁の展覧会がサンフランシスコで開催されたと思いますが、私は行きませんでした.....
by サンフランシスコ人 (2016-11-16 08:31)