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特別展 京(みやこ)のかたな 匠のわざと雅のこころSpecial Exhibition Swords of Kyoto: Master Craftsmanship from an Elegant Culture [美術館  ARTNEWS アートニューズ]

特別展 京(みやこ)のかたな 匠のわざと雅のこころ

Special Exhibition

Swords of Kyoto: Master Craftsmanship from an Elegant Culture
①三日月宗近(全図裏)広報用 (2).jpg

国宝 太刀 銘三条(名物三日月宗近)東京国立博物館所蔵 画像提供 東京国立博物館(全図裏)

 

京都では、平安時代から現代にいたるまで、多くの刀工が工房を構え、あまたの名刀を生み出して来た。

現存する京都=山城系鍛冶の作品のうち、国宝指定作品17件と、著名刀工の代表作を中心に展示し、平安時代から平成にいたる山城鍛冶の技術系譜と、刀剣文化に与えた影響を探る展覧会が京都国立博物館で開催されている。

このような大規模刀剣特別展が開催されるのは京都国立博物館では120年の歴史上初めて!

そして、多くの初公開作品のオンパレードがある展覧会なのだ。

刀に関して展覧会は1997年に東京国立博物館で行われて以来21年ぶり。

その時は、日本全体の刀についての展覧会だった。

このたび京都国立博物館で行われている展覧会では、「京都」の刀に的を絞っている。

では、「京都」=山城の刀のレベルはどのくらいかというと、圧倒的No.1

絶対王者という。

   格式、品質において抜きん出ており、少量しか生産されていない。

   お金に糸目をつけず作られたのが、「山城もの」だ。

   他の地域で作られた刀が、既製服とすると、「山城もの」はオートクチュールやビスポークと考えるとわかりやすいだろう。

ちなみにビスポークとは「注文の~」という意味。語源は、顧客がテーラーに「話を聞かれながら= be spoke」服を仕立てていくことに由来するといわれる。

 

④国宝 太刀 銘則国 京都国立博物館.jpg

国宝 太刀 銘則国 京都国立博物館

 

   存在は知られていたが、実態がつかめていなかったが、この展覧会の準備の過程で明らかになったものも。

祇園祭の長刀、日本最古の槍などは初公開。

祇園祭の長刀は、大切に保管され守られて来たが、今まで詳しいことはわからなかった。

三条長吉の作だが、このたびの精査で、長刀に刻まれている以下の銘文が読み解かれた。

「大永二年六月三日 切付銘 去年日蓮衆退治之時分捕仁仕候於買留申奉寄附感神院江所也 願主江刕石塔寺/之麓住鍛冶左衛門太郎助長 敬白 天文六丁酉歳六月七日」

すなわち、天文5 (1536) 年、山門延暦寺の衆徒が京都法華宗徒を武力で洛外へ追放した天文法華の乱(てんぶん orてんもんほっけのらん)の際、暴徒が押し寄せ、長刀は盗まれて行方不明になってしまった。石塔寺の麓に住む刀鍛冶の左衛門太郎助長がこれを発見し、私費で買い八坂神社に奉納したことがわかったのだ。

 助長のことはよくわかっていなかったが、この発見により実在の人物であったことがわかった。

末兼 俊彦 京都国立博物館 主任研究員は、刀は、日本文化に大きく影響しているという。

というのも、日本は、モノづくりの国だ。

一点の手抜きもないその姿勢。

刀はモノづくり日本とつながっているという。

神器なき即位をした後鳥羽天皇。

というのも、1185年(元暦2年)の壇ノ浦の戦いで、安徳天皇が入水し草薙剣も赤間関(関門海峡)に水没したとされるからだ。

皇位の象徴である三種の神器が揃わないまま治世を過ごした後鳥羽天皇にとって、このことは一種のコンプレックスであり続けた。

そのため、作刀を推奨し、御番鍛冶と呼ばれる優秀な刀工に補佐をさせて、自ら作刀行う慰打ち(なぐさみうち)をしたといわれているのが、後鳥羽天皇だ。

日本の技術の結晶・日本刀。

後鳥羽天皇がいなかったら、今の日本はなかったかもしれない。

 

研ぎ澄まされた精緻な作品。

我々日本人は刀工たちの尽力に恥じない姿勢に学び、継承していかなければならない。

そんな気持ちにさせてくれる展覧会だ。

ぜひ、お見逃しなく。

 

⑤刀 銘九州肥後同田貫上野介(王貞治佩用)九州国立博物館.jpg 

刀 銘九州肥後同田貫上野介 九州国立博物館(九州国立博物館提供・落合晴彦撮影)

 

☆見どころ

京都国立博物館では初となる大規模刀剣特別展。

国宝刀剣19件を出品予定。

平安時代から現代までの山城鍛冶を総括する初のこころみ。

後鳥羽天皇、織田信長、坂本龍馬など歴史上の偉人にゆかりのある刀剣も展示。

戦乱を描く合戦絵巻の名品や、伊藤若冲の伏見人形図なども紹介。

☆構成

 京のかたなの誕生(平安時代後期)

   後鳥羽天皇と御番鍛冶(鎌倉時代前期)

   粟田口派と吉光(鎌倉時代前期~中期)

   京のかたなの隆盛(鎌倉時代中期~後期)

   京のかたなの苦難(南北朝時代~室町時代中期)

   京のかたなの復興(室町時代後期~桃山時代)

   京のかたなの展開(桃山時代~江戸時代前期)

   京のかたなと人びと(江戸時代中期~現代)

会期

2018(平成30)年929日(土)~ 1125日(日)

会場

京都国立博物館 平成知新館

休館日

月曜日 

開館時間

火~木・日曜日:午前930分~午後6時(入館は午後530分まで)

金・土曜日:午前930分~午後8時(入館は午後730分まで)

観覧料

一 般 1,500円(1,300円)

 大学生 1,200円(1,000円)

 高校生  700円 (500円)

*障害者の方とその介護者(1名)は、障害者手帳などのご提示で無料。

 *キャンパスメンバーズ(含教員)は、学生証または教職員証をご提示いただくと団体料金。

*会期中、一部の作品は展示替あり。

 

主催

京都国立博物館、読売新聞社、NHK京都放送局、NHKプラネット近畿

後援

京都市観光協会

協賛

岩谷産業、きんでん、清水建設、大和ハウス工業、野崎印刷紙業、パナソニック

特別協力

公益財団法人日本美術刀剣保存協会

協力

ニトロプラス、日本香堂

 

☆京都国立博物館サイト

http://www.kyohaku.go.jp/jp

☆公式サイト

     https://katana2018.jp/

☆公式Twitter

katana2018kyoto

☆お問合せ

TEL.075-525-2473(テレホンサービス)

☆記念講演会

1110日(土)

 「合戦絵巻と武器・武具の研究」

  講師:井並 林太郎(京都国立博物館 研究員)

【時間】午後130分~3

【会場】平成知新館 講堂

【定員】200

【参加方法】当日11時より、平成知新館1階にて整理券を配布し、定員になり次第、配布を終了。聴講無料(ただし「京のかたな」展の当日の観覧券が必要)。

※お並びの状況により、配布開始時間を早める場合あり。

☆キャンパスメンバーズ限定講演会

京都国立博物館キャンパスメンバーズ会員校の学生及び教職員を対象に、本展示の見どころなどを紹介する講演会を開催。

1116日(金)17時 ~18

 事前の申込み必要。

☆「刀剣乱舞-ONLINE-」コラボ企画

●明治古都館で刀剣男士の等身大パネルを展示!

 展覧会会期中、京都国立博物館・明治古都館中央ホール(重要文化財)で、「刀剣乱舞-ONLINE-」コラボ刀剣男士の等身大パネルなどを展示。

 【時間】入館は閉館の30分前まで

【場所】明治古都館

 【料金】無料(ただし「京のかたな」展の当日の観覧券が必要)

 

☆関連イベント

●明治古都館で復元模造刀剣の特別公開

 長野県無形文化財保持者の刀剣作家・宮入法廣氏の手による「重文 薙刀直シ刀 無銘(名物 骨喰藤四郎)豊国神社所蔵」の復元模造が特別に公開。

その姿を忠実に再現した刀と一緒に記念撮影可!

【時間】入館は閉館の30分前まで

【場所】明治古都館

【料金】無料(ただし「京のかたな」展の当日の観覧券が必要)

 

☆音声ガイド(2種類あり) 

1 .語り     伊武雅刀

2. (刀剣乱舞-ONLINE-版)

ゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』出演声優4名が展覧会をナビゲート!

出演

                            鳥海浩輔(三日月宗近役)

                            粕谷雄太(五虎退役)

                            岡本信彦(膝丸役)

                            諏訪部順一(千子村正役)

       

          音声ガイドを目当てに何度も来場するかたもいるとの情報を読者のかたからいただいた。

        

☆読者プレゼント 

   510名様にご招待券 プレゼント

   あて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp

   件名:展覧会名と会場名

   本文:ご住所、お名前

   をお書きの上どしどしご応募下さい。

       締切:UPした日の午前零時

 

☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い

 よりよいサイトづくりのため、読者の皆さまからのご意見を常時受け付けております。

   あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp

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   お待ちいたしております。 

   

☆お知らせ

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皆さまからのあたたかい励ましのメイル、大変ありがたくうれしく思っております。

多くのかたからメイルをいただいておりますため、ご返信ができないこともございますが、何卒お許し下さいませ。

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※画像および記事の無断転載禁止

 

 


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