ツタンカーメン展 [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
ツタンカーメン展
日本初公開の秘宝多数と共に圧倒的スケールで展示中!
「ツタンカーメン展」大阪会場の来場者数が、ついに80万人を突破!
ツタンカーメンの黄金のカノポス
大阪天保山特設ギャラリー (旧・サントリーミュージアム、海遊館となり)でツタンカーメン展が、大好評開催中である。
黄金に彩られた副葬品の数々は、21世紀を生きる我々を3300年前の世界へといざなうであろう。
また発掘に関係した人々が次々に亡くなり"ツタンカーメンの呪い"がまことしやかに伝えられるなどツタンカーメンにまつわるミステリーは今も人々の心を惹き付けている。
今回の展覧会は、元エジプト考古大臣ザヒザヒ・ハワス博士監修のもとにツタンカーメンの王墓から見つかった副葬品約50点など、日本未公開の展示品を含むエジプト考古学博物館(カイロ博物館)所蔵の122点を展示するもの。
2004年、スイス・バーゼルを皮切りに、ボン、ニューヨーク、ロンドン、メルボルンなど、各都市を巡回し世界中で1,000万人以上が鑑賞した驚異の展覧会である。
その千秋楽を飾るのが、日本の大阪会場と東京会場である。
2012年3月17日(土)、大阪をキックオフとして始まり、異例の会期および開館時間延長を実施してもなお連日長蛇の列である。
これらの展示物は日本での展覧会が終われば、エジプトに帰り、カイロに新しく建築中の美術館に収蔵されるという。
国策として今後国外には貸し出さないので、エジプト国外で鑑賞できるのは、この展覧会が最後の予定。
黄金のカノポス(ツタンカーメンの内臓が保管されていた器)や、ツタンカーメンのミイラが身にまとっていた黄金の襟飾りや短剣など、ツタンカーメン王墓をはじめ王家の谷などから考古学調査によって発見された、美術的にも考古学的にも大変貴重な品々を展示している。
有翼スカラペ付き胸飾り
少年王ツタンカーメンのミステリーが明らかに!
エジプト史上、最も有名な少年王ツタンカーメンの謎が、科学と考古学の融合によって遂に解き明かされる。
世界的なエジプト考古学者ザヒ・ハワス博士は、CTスキャンやDNA鑑定によってツタンカーメン王の健康状態、死因、死亡年齢、親子関係など、今まで仮説の域を出ることがなかった真実を明らかにすることに成功した。
この今も進行中のザヒ博士の研究をもとに、古代エジプトの歴史の中で最も華やかな時代を生きた少年王の真実、素顔に触れることが出来る、斬新で画期的な展覧会である。
21世紀の今の科学技術を駆使して謎が解明された!
見どころ
重厚な扉が開くとイントロダクションの説明がある。
その後、また違う扉が開く。
いよいよ、展覧会の始まりだ。
遊園地のアトラクションのようなつくりで期待感が高揚する。
ツタンカーメン展では、「情熱 "Passion"」と「発見"Discovery"」というコンセプトのもと、ザヒ・ハワス博士の研究を基軸に7つのステージに分け、圧倒的なスケールで古代エジプトの秘宝の数々を展示している。
3300年前の古代エジプトのファラオの生活品や装飾品などが、鮮やかな色彩のまま保存されているのには驚かされる。
また古代エジプト人の死生観や、新しい考古学の発見についてもわかりやすく解説されており、 ツタンカーメンの黄金のカノポス、初来日のチュウヤの黄金の棺など、数々の黄金の秘宝が展示。
☆アメンヘテプ三世とティイ王妃の銘入りチェスト
この木製のチェストには、広範囲に青緑色のファイアンスが嵌めこまれ塗金が施されている。
蓋には日輪と真理の女神を象徴したダチョウの羽が描かれ、王の即位名と誕生名がカルトゥ-シュ(楕円形の輪(楕円形の輪)の中に記されている。
下部には切り込みのついた枝をもつヘフ神が描かれ、その腕には生命の標がかけられており、へフ神の頭上には「彼(王)が生き、安定し、支配しますように」と記されている。
チェストは、王家の谷にあるイウヤとチュウヤ夫妻の墓から出土したもの。
彼らは王族ではなかったが、娘が王妃であったため王家の谷に埋葬されたのであった。
チェストは義理の息子であるアメンヘテプ三世からの贈り物とみられる。
☆エジプト王冠(白冠と赤冠)を被ったツタンカーメンの像
上エジプト王冠を被ったツタンカーメンの像
下エジプト王冠を被ったツタンカーメンの像
木造金箔張りの二体の像は、それぞれ上エジプト(南部)と下エジプト(北部)を象徴する王冠(白冠と赤冠)を被ったツタンカーメン王の姿をしており、王がそれぞれの地域の支配者であることを表している。
この二つの像は王冠以外はほぼ同じ装束で、王権の象徴である殻竿と杖を手に持ち、サンダルを履いている。
像にはツタンカーメンの名が刻まれているが、アマルナ時代風の特徴的な体型からツタンカーメンの父アクエンアテン、またはその晩年の共同統治者スメンクカラー王のための彫像だったのではないか、とも考えられている。
あるいは、これらの像がネフェルティティ王妃のものであった可能性もある。
☆ツタンカーメンの半像
少年王の面影を伝えるこの等身大の彫像は、ツタンカーメンの肖像の中で最も美しいもののひとつである。
肌は赤茶色、眼と眉は黒く塗られており、体は亜麻布のシャツを表すために淡黄色で彩色されている。
丈の低い円筒形の冠は金を模した明るい黄色に塗られ、その額には神々や王を守護する聖蛇ウラエウスが付けられている。
発掘者ハワード・カーターは、この腕のない像を、王の衣装掛けあるいは衣服の仕立て用のマネキンと考えたが、王が来世で永遠の生命を獲得した魂「アク」であることを示す儀式用の彫像であった可能性もある。
☆ライオンの飾りのついた化粧容器
ライオンの飾りのついた化粧容器
玄室の第1の厨子と第2の厨子の間で発見された方解石製の化粧容器。
中には、動物性油脂と樹脂でできた化粧品の痕跡が残っていた。
壺の両側には円柱があり舌を出したベス神がロータスの花形の柱頭から顔を出している。
ベス神は出産の守り神であると同時に、快楽の神でもあった。
壺の胴部には、犬とライオンが獲物を襲う砂漠の狩りの場面が刻まれ壺の底にはエジプトの敵である異国の民、ヌビア人とアジア人の顔の形をした脚が付けられている。蓋の上には口を開け舌を出したライオンが横たわる。
この容器のデザイン全体が混沌の力を打ち負かす強いライオンとしての王の姿を象徴しているのである。
☆ツタンカーメンの銘入りガラス製枕
この暗青色のガラス製の遺物は枕として用いられた。
古代エジプトの枕の材質や形は様々で、生きている間のみならず、死後ミイラの頭部を支えるためにも使用された。
魔物に対する守護の呪文が記されているものもある。
枕型の護符も作られ、ツタンカーメンの頭の周りの包帯からも発見されている。
この枕のエジプト博物館収蔵までの経緯には、発見者カーターからファルーク王への贈り物、あるいは墓から盗まれたなど諸説あるが、「良き神、二国の主、儀式の主、ネブケぺルウラー(ツタンカーメンの即位名)、ラーの如く永遠に命を与えられた者、生きよ」という銘文があることからツタンカーメン王墓から出土したものであることは明らかである。
☆子どものカトナージュ・マスク
エンバーミング・カシェと呼ばれる竪坑(KV54)から発見された子ども用のミイラ・マスク。
ツタンカーメン王墓からは、妊娠7ヶ月と5ヶ月に相当する二体の胎児のミイラが、それぞれ棺に入った状態で発見され、うち小さい方のミイラだけがマスクを着けていた。この展示品のマスクは大きい方のミイラ用だったが、大きさが合わなかったために、大型の壺に入れられ竪坑に納められた。
壺の中にはほかに花輪や亜麻布の切れ端などミイラ作りや葬儀の際に用いられた物が入っていた。この胎児たちはツタンカーメンと王妃アンケセナーメンとの間の娘たちで、死産あるいは早産後間もなく死亡したらしい。
☆ツタンカーメンの棺形カノポス容器
この棺形カノポス容器は、ツタンカーメン王墓から出土したものの中で最も素晴らしい作品のひとつである。
厨子の中にあった方解石の箱は4つに仕切られ中に納められた4個の同じく方解石の壺から半貴石とガラスを嵌めこんだ金製のカノポス型容器が発見された。
容器には、防腐処理された王の内臓が納められ、今回展示の容器には肝臓が入れられていた。イシス女神と肝臓を護るイムセティ神に捧げられたヒエログリフの銘文も記されていた。
容器に描かれた王は殻竿と杖を持ち、上下エジプトを表わすハゲワシとコブラの付いたネメス頭巾を被る伝統的な姿で表わされている。
先が丸い付け髭は王の神聖さを示している。
この容器に描かれた王の容貌は、ツタンカーメンのミイラを納めていた人型棺とは目鼻立ちが異なっておりまた容器にツタンカーメンの即位前に短期間統治した王の名が書かれていることから、本来は別人のために作られたものを少年王が使った可能性もある。
☆チュウヤの人型棺
ツタンカーメンの曾祖母チュウヤのミイラは二重の入れ子式の人型棺に安置され、夫イウヤの墓に合葬されていた。
木材に彫られ、金箔を張ったこの外棺に描かれているのは、三分のかつらを被ったミイラ姿のチュウヤである。彼女の顔、首、そして手だけが、包布から出ている。
色とりどりに象嵌された広い襟飾りが彼女の胸の部分を覆い、天の女神ヌウトが交差した腕の下で羽を広げて彼女を守護している。
このほかジャッカルの頭を持ったミイラ作りの神アヌビス、書と知恵の神トト、そしてホルスの四人の息子たちが描かれている。
そして女神ネフティスが棺の頭の部分を、その姉妹イシスが足の部分を守っている。
黄金に輝く棺は、まばゆいばかりだ。
☆象嵌細工の黄金の襟飾りとおもり
象嵌細工の黄金の襟飾りとおもり
ウセクと呼ばれるこの幅広い襟飾りは、金と半貴石を模した色ガラスを象嵌した11個の飾り板から作られている。両端にはハヤブサの頭があり、襟飾りの一番外側には幾何学模様風の花がデザインされている。
また、おもりは細長いロータスを象り、青ガラスと本物の紅玉髄を象嵌している。
このような襟飾りを古代エジプトの王や貴族たちは、通常儀式の場で着用していた。
ツタンカーメンのミイラの包帯からは襟飾りが6個発見されているが、この襟飾りはツタンカーメンの大腿部で発見されたものである。
会期終了まであとわずか。世紀のツタンカーメン展を見逃しなく!
会期
2012年3月17日(土)~7月16日(月・祝)
開館時間
<平日> 9:30~18:00 (最終入場17:00)
<土日祝> 9:00~19:00 (最終入場18:00)
会場
大阪天保山特設ギャラリー (旧・サントリーミュージアム、海遊館となり)
料金
当日チケット平日一般¥2,500高校生¥1,600小・中学生¥1,200
土日祝一般¥2,800高校生¥1,900小・中学生¥1,500
※未就学児童は無料。
主催
関西テレビ放送/産経新聞社/フジテレビジョン/キョードー大阪/ ぴあ/ローソンHMVエンタテイメント/ツタンカーメン展実行委員会
後援
エジプト考古最高会議/エジプト観光省/駐日エジプト大使館/外務省/文化庁/大阪府/ 大阪市教育委員会/東海テレビ放送/テレビ西日本/テレビ新広島/山陰中央テレビ/ 岡山放送/テレビ愛媛/高知さんさんテレビ/石川テレビ/福井テレビ/テレビ長崎/テレビ熊本/ サンケイリビング新聞社
特別後援
大阪市
監修
ザヒ・ハワス博士(元エジプト考古大臣)
展示協力
エジプト考古学博物館
ホームページ
☆読者プレゼント
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あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
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巡回スケジュール
上野の森美術館
2012年8月4日(土)~12月9日(日)
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