三井家のおひなさま [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
三井家のおひなさま
東京、日本橋に春の訪れを告げる「三井家のおひなさま」展。
東日本大震災で中止となった前回展より2年ぶり、恒例の「三井家のおひなさま」展が帰って来た。
今年で7回目を迎えるこの展覧会では、三井家の夫人や娘たちが大切にしてきたひな人形やひな道具を展示している。
三井本館7階に位置する三井美術館。
三井本館は、1929年(昭和4年)に竣工され、アメリカのトローブリッジ・アンド・リヴィングストン事務所が設計しジェームズ・スチュワート社が施工を行った、今年で84年もの歴史を持つ。
新古典主義様式の外観を持つ建物で、イタリア・ヴェネツィア産大理石などが使用されている。
関東大震災の教訓からその2倍の地震にも耐えることができるように作られていると言われており、これは21世紀現行の耐震改善促進法の基準の2倍以上にあたるというから驚かされる。
また、エアシューターや全館完全空調を日本で初めて導入した。
1998年(平成10年)には国の重要文化財に指定された重厚な建物。
入口では、美しい女性たちがにっこりと微笑んでくれ、これが美術館かと思うほど接客応対はすばらしい。
中に入ると、重厚なインテリアがリッチ感を盛り上げてくれる。
展示されている展示物のみならず、その空間そのものを楽しめる美術館なのだ。
三井家の夫人や娘たちがこよなく愛した、ひな人形・ひな道具の数々が展示されている。
どれも華麗で優美で、何と言ってもひな人形の顔がノーブルで上品。
作家の芸術性の高さと手仕事の熟練ぶりがわかる。
それらを選んで娘に与えた親の審査眼と娘を愛する親の心にも注目したい。
北三井家十代・高棟(たかみね)夫人の苞子(もとこ)(1869~1946)、十一代・高公(たかきみ)夫人の鋹子(としこ)(1901~1976)、高公の一人娘・浅野久子(1933生まれ)、伊皿子三井家九代高長(たかひさ)夫人・興子(おきこ)(1900~1980)旧蔵の贅をつくしたひな人形・ひな道具。
とくに京都の丸平大木人形店・五世大木平藏が特別に制作した浅野久子の幅3メートル、高さ5段のひな段飾りは大変豪華。
◆巴(ともえ)印のひな人形・ひな道具 (三井苞子(もとこ)<北三井家十代・高棟(たかみね)夫人>旧蔵品
北三井家十代・三井高棟(たかみね)夫人の苞子(もとこ)(1869~1946)の旧蔵品であるおひなさまは、実家の旧富山藩主前田家から伝わったものや、結婚後(明治25年)三井家で新たに作られたものや江戸時代から三井家に伝来したものなどがあり、さまざまな年代や種類のひな人形、ひな道具を含んでいる。
苞子(もとこ)は三井家夫人を代表する立場として多忙な日々を綴った日記や当時の財閥当主夫人の生活を記録する貴重な資料も残している。
◆小蝶(こちょう)印のひな人形・ひな道具 (三井鋹子(としこ)<北三井家十一代・高公(たかきみ)夫人>旧蔵品)
三井家十一代・三井高公(たかきみ)夫人の鋹子(としこ)(1901~1976)は、大正9年(1920)に高公と結婚。
実家の旧福井藩主・松平家より嫁入り道具として持参したひな人形は日本橋十軒店の名工・二代永德齋製のものが中心。
初節句、または嫁入りの際にあつらえられた。
鋹子(としこ)は、手先が器用で、剪綵(せんさい)(北三井家八代・高福が考案した裂地を使った貼り絵の一種)を復活させ、多くの作品を残している。
◆永(えい)印のひな人形・ひな道具 (浅野久子(ひさこ)<北三井家十一代・高公(たかきみ)長女>寄贈品)
浅野久子(ひさこ)は、北三井家十一代・三井高公(たかきみ)の一人娘として昭和8年に誕生。
翌9年の初節句に際し、「丸平(まるへい)」で知られる京都の丸平大木人形店・五世大木平藏(1885~1941)に注文してあつらえたひな人形、ひな道具を近年まで浅野家でおこなわれていた段飾りを再現して展示。
◆珠(たま)印のひな人形・ひな道具 (三井興子(おきこ) <伊皿子三井家九代・高長(たかひさ)夫人>旧蔵品)
伊皿子三井家は、家祖・三井高利の次男高富(たかとみ)(1654~1709)を初代とする家で、現当主の長生氏で十代目。
三井家は、江戸中期より六本家と五連家を合わせた十一家が固定されているが、伊皿子家は六本家の一家。
三井興子(1900~1980)は、北三井家十代・高棟と苞子の三女として、明治33年(1900)1月28日に誕生。
大正8年(1919)に伊皿子家九代・高長(1895~1959)と結婚。
手先が器用であった興子は、鎌倉彫、刺繍、染物などを得意とし、北家の鋹子らと共に剪綵の技術の研鑽を積み、昭和11年常盤会への皇后行啓に際しては、その実演をおこなった。
◆「三井好 都のにしき」 水野年方筆 明治時代・20世紀
四季の女性のファッションを主題とした12枚と目録の計13枚からなる木版画の揃物。
三越呉服店の前身である三井呉服店の明治37年頃の新作カタログを兼ねるもの。
水野年方(1866~1908)は浮世絵師の月岡芳年に師事し、『やまと新聞』の挿絵を師とともに担当するなど、挿絵画家として名高い。
図録には、「三井家のおひなさま」のコレクションが掲載されている。
日本の文化として継承されている「おひなさま」の集約のひとつとして眺めてみると、よりいっそう楽しめる。
展示室1・2・3では館蔵品による茶道具の名品、展示室6では「三井好 都のにしき」(水野年方筆) を展示。
また、漆器や陶磁器、金属器など多様な、日本独特の楽しい各種酒器も展示している。
桜が例年より早く開花した今年。
「三井家のおひなさま」展を鑑賞して春を満喫しよう。
主催 三井記念美術館
会 期
2013 年2月8日(金)〜4月7日(日)
※会期中一部展示替えがあり。
会 場
三井記念美術館/Mitsui Memorial Museum
(〒103-0022 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階)
開 館 時 間
10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日
毎週月曜日
一般1000円(800円)、大学・高校生500円(400円)、中学生以下無料
*70歳以上の方(要証明)や20名様以上の団体の方は( )内割引料金。
*障がい者手帳をご呈示いただいたお客様、およびその介護者(1名)は無料。
*会期中、一般券および学生券の半券ご提示で2回目以降は団体料金適用。
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