姫路・城下町の祭礼 -播磨国総社の三ツ山大祭- [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
姫路・城下町の祭礼
-播磨国総社の三ツ山大祭-
播磨国総社三ツ山祭礼図屏風(兵庫県指定文化財)
兵庫県立歴史博物館蔵
平成25年(2013)年3月31日~4月7日、播磨国総社(射楯兵主神社)では20年に一度の「三ツ山大祭」が行われる。
兵庫県立歴史博物館で、「三ツ山大祭」の歴史についての大変タイムリーな展覧会「姫路・城下町の祭礼 -播磨国総社の三ツ山大祭-」が開催中である。
姫路城内総社伊和大明神臨時祭之画図
姫路市立城郭研究室蔵
この「三ツ山大祭」は、平安期に藤原純友の乱の鎮静を願った「天神地祇祭」を起源とし、姫路、播磨の地域のみならず、全国の厄災を祓い、平安と発展を祈る珍しいお祭りだ。
全国の神々を招くという呼び物の、高さ18mの3基の大変大きな造り山(置山)が登場する。
「三ツ山大祭」の名称は、この壮大で華麗な置山が3基造られることに由来している。
播磨国総社「三ツ山」ひな型(国指定文化財)
播磨国総社蔵
兵庫県立歴史博物館 館長補佐小栗栖 健治学芸員は大変丁寧にわ かりやすく解説してくれた。
現在見ることができる祭礼様式は約500年前に整えられ、江戸時代には城下町の祭礼として一日10万人という相当の参詣人や見物人で賑わったという。
三ツ山大祭の人波(昭和28年 1953)
兵庫県立歴史博物館蔵(高橋秀吉コレクション)
歴史物語などの一場面を再現した「造り物」は、14の町ごとに趣向を凝らし、屋根の上を10間から30間あまりの大きさであでやかに飾り、人々の注目の的になっていたという。
しかし、1953年を最後に衰退してしまっていた。
三ツ山大祭の造り物(昭和28年 1953)
兵庫県立歴史博物館蔵(高橋秀吉コレクション)
伝統を復活させようとその「造り物」が、今年、60年ぶりに復活した。
JR姫路駅から商店街「みゆき通り」を経て総社に至る街中に、怪談「お菊井戸」など播磨にちなんだ「造り物」が設けられ、一般公開が始まっている。
町全体にこの祭りの旗がはためき、姫路の町はお祭りモードに包まれている。
播州姫路総社臨時大祭礼曳物略図 前川憲司家蔵
この展覧会では「三ツ山大祭」の歴史や祭礼の楽しみを、屏風や絵巻、刷り物などをとおして紹介。
資料には、このお祭りの「迷い子の宿」という今でいう迷子センターや産気づいた人のためのケアセンターも記されており、きめの細かいサービスが配慮されていたころがわかる。
旧家に所蔵されていた新発見の資料が展示されており、大変学術的にも価値の高い
展覧会だ。
お祭りと展覧会の両方をお見逃しなく。
取材に際し、この兵庫県立歴史博物館の事務所側の入り口から筆者は入ったため、建物をぐるりと回ることとなった。
何とおしゃれなモダンな建築なのだろう、ル・コルビュジエの作品のようだ。ここは外国かしら・・・と思いながら、急いで事務所に向かった。
取材後に広報担当の青山禎尚指導主事に建築家の名前をお聞きすると、文化勲章を受章した故丹下健三という。
ぜひ、この建築デザインも鑑賞していただきたい。
三ツ山大祭(平成5年 1993)
兵庫県立歴史博物館蔵
流鏑馬(五種神事のうち 平成5年 1993)
兵庫県立歴史博物館蔵
会期
2013年1月26(土)~4月7日(日)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日
観覧料(常設展分を含む)
大人
500円(400円)
大学生
350円(250円)
高校生
250円(170円)
小・中学生
無料
※( )は20名以上の団体料金
※障がい者及びその介護者、65歳以上の方は半額
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:UPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
※画像の無断転載禁止
コメント 0