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特別展「レンブラント光の探求/闇の誘惑」 [美術館  ARTNEWS アートニューズ]

 ●特別展「レンブラント光の探求/闇の誘惑」 

レンブラント《書斎のミネルヴァ》.jpg

レンブラント・ファン・レイン 《書斎のミネルヴァ》 1635年 個人蔵 ⓒPrivate Collection, New York

 国立西洋美術館で大好評だった特別展「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」が名古屋市美術館で開かれている。

オランダ絵画史の頂点に立つ巨匠 レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)は、黄金の世紀と呼ばれた17世紀を代表するオランダの画家であり、古くより「光と影の魔術師」「明暗の巨匠」と呼ばれ、光の探求や陰影表現、明暗法を終生追求した作家である。

 ポートレイト写真のライティングで「レンブラントライティング」という手法の名前になっていることからも彼がいかに光の探求をしていたか、21世紀までその名が一般名詞にまで昇華していることからもわかる。ちなみに「レンブラントライティング」で撮影すると、顔の立体感、陰影が強調されるので力強い印象を出す。また顔を細く見せるためより美しく写真ができるのだ。

 本展は、版画と絵画におけるレンブラントの「光と影」の真の意味を再検討しようとするもので、オランダ・アムステルダムのレンブラントハイスの協力のもと、アムステルダム国立美術館、大英博物館、ルーヴル美術館などが所蔵する世界中の重要なレンブラント作品が展示されている。

 レンブラントハイスはアムステルダム中心地にある、かつてレンブラントが住んでいた家を美術館に改築したもので、そこにはいまも当時のアトリエなど、画家の面影がそのまま残されている。
 レンブラントの明暗表現を考察する上で重要な役割を演じた版画と絵画を取り上げ、その初期から晩年にいたる作品まで、オランダの巨匠レンブラントがどのように明暗表現に取り組んだかがよくわかる構成である。

93点の版画を中心に、レンブラントの明暗表現の特徴を示す約11点の絵画と素描を加え、また版画作品のうち21点は和紙に刷られたものを展示。

レンブラントは1647年頃から当時のオランダの東インド会社を通じてもたらされた和紙を使い始めた。

当時日本は江戸初期。鎖国はしていたが、キリスト教の布教より貿易を優先させたオランダだからこそレンブラントは和紙を手にすることができたのだ。

ダッチカウントというようにオランダ人の合理性や質素倹約ぶりには頭が下がる。

実際オランダに滞在しているとよくわかる。

遠い異国の地の日本の未知の紙がレンブラントの明暗表現にとってどのような役割を果たしたのかといった視点からもレンブラント芸術を解き明かすように展示されていて興味深い。

筆者もレンブラントハイスを何度か訪れた。その時、西洋紙と和紙で刷られたものが比較展示されており、この時代にレンブラントが遠く日本の紙を使っていたことに驚いたことを覚えている。

光と影を駆使し、立体的に描く画風は日本伝統の絵画表現とは全く対照的だ。

しかし、実は版画を和紙で刷っていたのだ。

和紙の方が柔らかい刷り上がりと作品の丸みを感じた。

また、中間色の淡い色を持つ和紙の方が少しかすれて作品に深みが生まれる。

筆者は、レンブラントが和紙の方を気に入っていたのではないかと考えていたが、その全容がこの展覧会で解き明かされている。


 17世紀オランダにおける随一の肖像画家、宗教画家であっただけでなく、レンブラントは版画家として、西洋美術の歴史を通じても最高の作家の一人に数え上げられよう。

レンブラント芸術の核心である「光と闇」に注目し、その大胆な演出や繊細な美しさを楽しめるこの展覧会。

レンブラントによる93点の版画と11点の油彩画を含む、総数117点、もの傑作の数々をぜひ堪能していただきたい。

数日前にアメリカで彼の作品が盗まれた。

絵画盗難事件といえばレンブラントといわれるくらい芸術的にも金額的にも価値が高いのだ。 

レンブラントによる「光の探求」、そして見るものを惹き付けてやまない「闇の誘惑」、レンブラントが追求した光

レンブラントが生前、絵画よりも版画で高い人気を誇っていたことからしてもこの展覧会ははずせない。

小中学生には無料パンフレットが配布されるが、これがよくできていて、大人が読んでもわかりやすい。

  1.展覧会名  特別展「レンブラント光の探求/闇の誘惑」        

           Rembrandt: The Quest for Chiaroscuro

2.会  期  平成23625日(土)~94日(日)        休館日:毎週月曜日        開館時間:930分~17時、金曜日は~20(入場は閉館の30分前まで)

3.料  金  一般 1,400円、大学・高校生 1,000円、小・中学生 600        

※この展覧会入場券で常設展も鑑賞可。

4.会  場  名古屋市中区栄二丁目17番25号(白川公園内)名古屋市美術館 企画展示室1・2

5.主  催  名古屋市美術館  

問合:名古屋市美術館460-0008 名古屋市中区栄2-17-25  

Tel. 052-212-0001Fax. 052-212-0005 

読者プレゼント 510名様にご招待券 プレゼントあて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp に展覧会名 ご住所、お名前をお書きの上どしどしご応募下さい。発送をもって当選と代えさせていただきます。 


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