「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展 [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展
レオナルド・ダ・ヴィンチ構想/サライ(帰属) 《裸のモナ・リザ》 16世紀 レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館寄託
《モナ・リザ》や《最後の晩餐》など世界の宝と言われる名画を残したレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)。
彼はイタリアのヴィンチ村に生まれ、フィレンツェで修行時代を過ごし、ミラノで確固たる地位を築く。
その後、さまざまな都市を転々とし、フランス国王フランソワ1世に招かれ、アンボワーズ郊外で67年の生涯を閉じた。
今、パリのルーブル美術館に《モナ・リザ》が所蔵されているのは、フランソワ1世の庇護があったからこそ、ダ・ヴィンチが生涯手放さなかったためとも言われている。
しかしながら、鏡文字で書かれた膨大な手稿を残す一方、現存する絵画はわずか十数点と限られており、今なおダ・ヴィンチの生涯は謎のベールに包まれている。
だが、その「美の世界」は彼の生きたルネサンス期の芸術家はもとより、現代にいたるまで多くの芸術家たちに多大な影響を及ぼして来た。
サライ(帰属) 《聖母子と聖アンナ》 1510-20年 フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵
Gabinetto Fotografico della S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della citta di Firenze 【静岡展のみ出品】
静岡市美術館では、レオナルド研究の世界的権威であるカルロ・ペドレッティ氏の名誉監修、レオナルド研究の第一人者であるアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏の監修、そして木島俊介氏を日本側監修に迎え、レオナルドの創造した「美の理想」にテーマを絞った展覧会が、開館1周年を記念して、開催中である。
ラファエロとその工房(帰属) 《カーネーションの聖母》 1506年頃 ハンブルク、ハンス・ギャラリー蔵
世界各地から集めた日本初公開となるレオナルドの作品や、レオナルドと弟子による共作、弟子やレオナルド派と呼ばれる画家たちの作品、レオナルドと同時代の画家たちの作品、書籍や資料など約80点を展示し、「万能の天才」の美の系譜を探る構成である。
レオナルド派 《レダと白鳥》 16世紀 ローマ、ボルゲーゼ美術館蔵 Alinari, Licensed by AMF, Tokyo / DNPartcom
ジャンピエトリーノ 《アレクサンドリアの聖女カテリーナ》 1530年頃 フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵 Gabinetto Fotografico della S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della citta di Firenze |
レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci
ヴィンチ(フィレンツェ近郊)に生まれる。ミケランジェロ、ラファエロとともにイタリア・ルネサンスを代表する巨匠。フィレンツェのアンドレア・デル・ヴェロッキオの工房で修業し、主にフィレンツェ、ミラノで活躍した。ルネサンスの「万能人」として活動分野は絵画、彫刻にとどまらず、その関心は解剖学や地質学、数学など多岐にわたる。その思想を膨大な数の素描や手稿として残している。
★見どころ
1.ルネサンス期、美しい衣紋を描く事は画家の力量を示すものとされていた。レオナルドが描く衣紋は、そこに人体が立ち現れるかのようである。
レオナルド・ダ・ヴィンチ 《衣紋の習作》 1470-75年頃 バーバラ・ピエセッカ・ジョンソン・コレクション財団蔵 Barbara Piasecka Johnson Collection Foundation??
日本初公開となる2点が展示されている。
2.ルーヴル美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリーにも所蔵される《岩窟の聖母》。
レオナルドとその弟子によるとされるもう一つの《岩窟の聖母》をプライベート・コレクションより日本初公開。
レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子(名誉監修カルロ・ペドレッティ氏説) 《岩窟の聖母》 1495-97年頃 個人蔵
Private property in trust of The Pedretti Foundation, Los Angeles
19世紀に活躍したルーブル美術館所蔵の「トルコ風呂」やオルセー美術館所蔵の「泉」を描いたことで有名なフランスの巨匠アングルが見て、レオナルド作とした作品。個人蔵のため、専門家でも展観の機会が少ない貴重な1点。
3. 「裸のモナ・リザ」と呼ばれる作品は、素描を含め、世界に十数点現存している。本展では、レオナルドの愛弟子サライが、師の構図に基づいて制作したとされる作品をはじめ、油彩画3点を含む計5点(すべて日本初公開)を展示。
4. 美術史上、最高傑作と讃えられる《モナ・リザ》(ルーヴル美術館蔵)は、制作年代や絵のモデル、注文主など、未だ解決されいていない、いくつもの謎が存在します。
この展覧会では「もうひとつの未完の《モナ・リザ》ではないか」という説もある作品を日本初公開。
《アイルワースのモナ・リザ》 16世紀 (レオナルドによる1503年の未完成作説あり) 個人蔵
終了まであとわずか。お見逃しなく!
こののち、2012年1月5日(木)~3月4日(日)福岡市美術館に巡回する。
静岡市美術館
〒420‐0852 静岡県静岡市葵区紺屋町17‐1 葵タワー3階
会期:2011年11月3日~12月25日
開館時間:10:00~19:00(展示室への入場は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日
主催:静岡市、静岡市美術館 指定管理者(財)静岡市文化振興財団、静岡新聞社・静岡放送、毎日新聞社
後援:静岡市教育委員会、静岡県教育委員会、外務省、イタリア文化財・文化活動省、イタリア大使館、アメリカ合衆国大使館、スポーツニッポン新聞社
協賛:鈴与グループ、損保ジャパン、大日本印刷、宝島社
静岡展特別協賛:セキスイハイム東海
協力:アリタリア‐イタリア航空、日本航空
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あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に展覧会名 と会場名 ご住所、お名前をお書きの上どしどしご応募下さい。
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