靉嘔 ふたたび虹のかなたに [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
靉嘔 ふたたび虹のかなたに
靉嘔「300m レインボー・エッフェル塔・プロジェクト」エッフェル塔(パリ)1987年 撮影:水谷内健次
生命力溢れる靉嘔の世界。
その初期から新作までを網羅する回顧展が東京都現代美術館で開催されている。
靉嘔のことを知らない人でも、パリのエッフェル塔に300mの虹の帯をかけ、衝撃を与えたアーティストといえば、すぐに認識できるであろう。
靉嘔は、1931年、茨城県に生まれる。1950年代、池田満寿夫らと共にデモクラート美術家協会に参加し、明るい色彩の油彩画を発表し注目される。
1958年には、ニューヨークに渡り、知覚によって認識される世界を具体的な物との対話によって改めて捉えようとする中で、箱の穴に指を入れ鑑賞する《フィンガー・ボックス》や、周囲の環境を取り込んだインスタレーション等、絵画の枠にとどまらない人間の五感に訴える作品を生み出していく。
靉嘔《アダムとイヴ》1967-71年東京都現代美術館蔵
日常の事物や行為そのものがアートに変換された1960年代、靉嘔の「エンヴァイラメント」と呼ばれるインスタレーションはかなり先駆的な表現として注目を集めていた。
音楽家、詩人、美術家等ジャンルを超えたアーティスト達が交わり、パフォーマンスや印刷物の製作等を通し、今日のアートの多様性のあり方に一つの礎を築いたグループ、「フルクサス」のメンバーとしてオノ・ヨーコやナム・ジュン・パイクらと共に活動。
やがて、線で描く絵画を拒否し、引用したモチーフに赤から紫までの可視光線(スペクトル)を重ねる「虹」の作品が生まれた。
これをヴェネチア・ビエンナーレ(1966年)で発表したことにより、靉嘔は「虹のアーティスト」として国内外で名を知られるようになって行く。
そして、靉嘔の虹への取り組は、版画、絵画、インスタレーションと様々な形式を変え、現在まで続いている。
靉嘔《レインボー・レイン》1977年
この展覧会では、数多くの虹のシリーズやパフォーマンスのドキュメントの他、触れて楽しむ体験型のインスタレーションや192色の虹色で描かれた30mにおよぶ新作、1987年にエッフェル塔にかけられた300mの虹の帯等を大規模に展示。
靉嘔《ハンギング・ピースNo.10 オブジェクト・マンダラ》 北九州市立美術館での展示風景(1997年)
靉嘔《マイ・いっくに・フレンズ》 2011年
会 場:東京都現代美術館 1F,B2F
会 期:2012年2月4日(土) ~ 5月6日(日)
休館日:月曜日
開館時間:10:00 〜 18:00(入場は閉館の30分前まで)
主 催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、読売新聞社、
美術館連絡協議会
協 賛:ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網
後 援:アメリカ合衆国大使館
観覧料:一般1,100円(880円) | 大学生・65歳以上850円(680円) | 中高生550円(440円) | 小学生以下無料
*( )内は20名様以上の団体料金。
*障害者手帳をお持ちの方と付添者2名、第3水曜日に観覧する65歳以上は無料。
*本展チケットで「MOTコレクション」も入場可。
同時開催「田中敦子 アート・オブ・コネクティング」とのセット券もあり。
一般1,500円|大学・専門学校生/65歳以上1,200円|中高生700円
同時開催
● 「田中敦子 -アート・オブ・コネクティング」 2月4日(土) ~ 5月6日(日)
● MOTコレクション「特集展示|福島秀子」「MOTコレクション クロニクル 1964- OFF MUSEUM」
2月4日(土) ~ 5月6日(日)
巡回予定
新潟市美術館 2012年7月28日 ~ 10月8日
広島市現代美術館 2012年11月3日 ~ 2013年1月14日
展示替情報
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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