誕生15周年記念 くまのがっこう展"the bears' school 15th" [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
誕生15周年記念 くまのがっこう展
"the bears' school 15th"
ⒸBANDAI
ラフスケッチやコンセプトブック、展覧会のための描き下ろしイラストなど、一挙公開の
展覧会が12月27日(水)から阪急うめだギャラリーで開催される。
過去のくまのがっこう展は以下など記しているので参照されたし。
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-05-03
最新作「ジャッキーのしあわせ」を含む、絵本原画約200点が一堂に。
9階 アートステージでは、展覧会限定ジャッキーのぬいぐるみなどを販売。
ぜひ、お見逃しなく。
会期:2017年12月27日(水)~2018年1月8日(月・祝)
会場:阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー
住所:大阪府大阪市北区角田町8-7
時間
日〜木曜日:午前10時~午後8時
金・土曜日と1月3日(水):午前10時~午後9時
※閉場30分前までにご入場のこと。
※催し最終日は午後6時閉場
※1月1日(月・祝)は休業、1月2日(火)は午前9時30分~午後9時
入場料:一般 800円、大学・高校生 500円、中学生以下無料
※阪急阪神お得意様カード・ペルソナカード・エメラルドSTACIAカードのご提示で、ご本人様に限り入場料から100円割引
※障がい者手帳(身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳、被爆者保健手帳)をご呈示の方、及びその介添えのために同伴者1名様まで無料。
問合せ
阪急うめだ本店
電話(06)6361-1381
☆阪急うめだ本店
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/event/index.html
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
会期が短いため、速達などお届けに最善を尽くします。
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あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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国立新美術館開館10周年 新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで 10th Anniversary of the National Art Center, Tokyo Exhibition of Shinkai Makoto [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
国立新美術館開館10周年
新海誠展
「ほしのこえ」から「君の名は。」まで
10th Anniversary of the National Art Center, Tokyo
Exhibition of Shinkai Makoto
記録的な大ヒットとなった最新作映画「君の名は。」のアニメーション監督・新海誠(しんかい まこと、1973年-)。
この映画の興行収入は240億円余り。国内動員数1900万人を突破。
中国やタイなどのアジア圏、さらにヨーロッパ圏においても大人気だ。
また、原作本として自身が執筆した『小説・君の名は。』は、100万部を突破し、今も売れ続けている。
この新海誠のデビュー15周年を記念した展覧会が国立新美術館において好評開催中だ。
そのほとんどの作業を1人で手掛けたデビュー作「ほしのこえ」。
「ほしのこえ」場面カット Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
「ほしのこえ」新海誠による原画 Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
集団制作に挑み初長編作品にして毎日映画コンクール・アニメーション映画賞を受賞した「雲のむこう、約束の場所」。
「雲のむこう、約束の場所」場面カット Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
「雲のむこう、約束の場所」田澤潮によるレイアウト修正 Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
単館上映ながら異例のロングランとなり、今なお熱狂的に語り継がれる「秒速5センチメートル」。
「秒速5センチメートル」場面カット Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
「秒速5センチメートル」 作画監督・西村貴世による原画 Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
本格ジュブナイルファンタジーに挑んだ「星を追う子ども」。
「星を追う子ども」場面カット Makoto Shinkai / CMMMY
「星を追う子ども」美術監督・丹治匠によるコンセプトボード Makoto Shinkai / CMMMY
デジタル時代の映像文学と言うべき「言の葉の庭」。
「言の葉の庭」場面カット Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
「言の葉の庭」土屋堅一による原画「言の葉の庭」作画監督・土屋堅一による原画 Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
そして記録的な大ヒットとなった最新作「君の名は。」
「君の名は。」場面カット「君の名は。」場面カット 2016「 君の名は。」製作委員会
「君の名は。」作画監督・安藤雅司によるレイアウト修正 2016「 君の名は。」製作委員会
この展覧会は、これらを完全網羅し、それらの貴重な制作資料である絵コンテや作画、設定資料や映像などの展示を通じて、新海誠の15年の軌跡を振り返るもの。
新海誠の作品の特徴は“ 美しく壮大な世界ですれちがう男女の物語”を描くことで人間の本質に迫っていること。
人と人が出会い、そしてすれちがい、揺れ動く心模様を、完成度の高い物語に結晶させ、登場人物やその世界を鮮やかに描き出す作品群。
新海誠の作品は、世代や国境を超えて多くの人々を引きつけている。
その秘密はどこにあるのか。
「君の名は。」をご覧になった方もそうでない方もきっと学ぶことが多いであろう。
そして、日本が発信するアニメーションという芸術を味わっていただきたい。
日本が国際競争力を発揮できる場の大きな一つの分野がアニメーションだ。
国立の美術館においてデビューわずか15年の作家の展覧会が開催されるという歴史的意義にも注目したい。
12月18日(月)まで。お見逃しなく。
☆構成
1章 ほしのこえ
2章 雲のむこう、約束の場所
3章 秒速5センチメートル
4章 星を追う子ども
5章 言の葉の庭
6章 君の名は。
☆展示特徴および見どころ
制作資料の展示
言葉の展示
主題歌の展示
映像の展示
会 期
2017年11月11日(土)~12月18日(月)
毎週火曜日休館?
開館時間
10:00-18:00
※金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで?
会 場
国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2?
主 催
国立新美術館、朝日新聞社、東宝、テレビ朝日、コミックス・ウェーブ・フィルム、アミューズ
協 賛
KADOKAWA、サントリー、大成建設
協力
WOWOW
観覧料
当日
1,600円(一般)、1,200円(大学生)、800円(高校生)
団体
1,400円(一般)、1,000円(大学生)、600円(高校生)
中学生以下および障害者手帳をご持参の方(付添いの方1名含む)は入場無料。
お問合せ
ハローダイヤル 03-5777-8600
☆展覧会ホームページ
http://shinkaimakoto-ten.com/tokyo/
☆国立新美術館ホームページ
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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☆巡回予定
札幌芸術の森美術館(北海道)2018年1月3日~ 2月25日
北九州市漫画ミュージアム(福岡)2018年7月21日~ 9月24日
以後、全国巡回予定
国立新美術館開館10周年 安藤忠雄展―挑戦―10th Anniversary of the National Art Center, TokyoTADAO ANDO:ENDEAVORS [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
国立新美術館開館10周年
安藤忠雄展―挑戦―
10th Anniversary of the National Art Center, Tokyo
TADAO ANDO:ENDEAVORS
光の教会Church of the Light 1989 大阪府茨木市 Ibaraki, Osaka撮影:松岡満男Photo:Mitsuo Matsuoka
元プロボクサー、独学で建築を学ぶ―という異色の経歴で知られる建築家、安藤忠雄(1941年-)。
ポートレイト,(撮影:荒木経惟)
安藤忠雄がいかに生きて、いかに創り、今またどこに向かおうとしているのか―その壮大な挑戦の軌跡と未来への展望を探る展覧会が国立新美術館において好評開催中だ。
1969年より「都市ゲリラ」として建築設計活動をスタートして以来、既成概念を打ち破るような斬新な建築作品を次々と創作。
住吉の長屋,1976年,大阪府大阪市 (撮影:新建築社 写真部)
小篠邸,1981/1984年,兵庫県芦屋市 (撮影:新建築社 写真部)
水の教会,1988年,北海道勇払郡 (撮影:白鳥美雄)
さらに1990年代以降はその活躍の舞台を世界に広げ、アジア・ヨーロッパ・アメリカなど各国で、意欲的な作品を実現させている。
直島の一連のプロジェクト(香川県直島町) 模型,香川県直島町
直島 ベネッセハウス,1992/1995年,香川県直島町 (撮影:松岡満男)
プンタ・デラ・ドガーナ,2009年,ヴェニス/イタリア (撮影: Palazzo Grassi SpA. Foto: ORCH, orsenigo_chemollo)
表参道ヒルズ,2006年,東京都渋谷区 (撮影:松岡満男)
その一方、建築という枠組みを超えた環境再生や震災復興といった社会活動にも、果敢に取り組んでいる。
「だれも知らない建築のはなし Inside Architecture -A Challenge to Japanese society」
という映画において若き日の安藤忠雄が話す、建築に対する熱い思い。
以前、筆者は、以下で記しているので参照されたし。
☆「だれも知らない建築のはなし Inside Architecture -A Challenge to Japanese society」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
上海保利大劇院,2014年,上海/中華人民共和国 (撮影:小川重雄)
直島 ベネッセハウス オーバル,1995年,香川県直島町 (撮影:藤塚光政)
この展覧会では、安藤忠雄自身の手による模型やスケッチ、ドローイングなど、総計270点余りの設計資料が展示されている。
住吉の長屋(大阪市) 模型
大淀のアトリエⅡ(大阪市) 模型
4×4の住宅(神戸市)模型
プンタ・デラ・ドガーナ(イタリア ヴェニス)模型
建築づくり=環境づくりと考える安藤忠雄の思想。
建築という英語“architecture”の中には、“a r t”の文字が潜んでいると筆者は考える。
建築は、芸術だ。
ぜひ、安藤忠雄ワールドに浸っていただきたい。
12月18日(月)まで。お見逃しなく。
☆構成
プロローグ 建築家 安藤忠雄
原点/住まい
光
余白の空間
場所を読む
あるものを生かしてないものをつくる
育てる
会 期
2017年9月27日(水)~12月18日(月)
毎週火曜日休館
開館時間
10:00~18:00 金曜日・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで?
会 場
国立新美術館 企画展示室1E+野外展示場?
主 催
国立新美術館、TBS、朝日新聞社
共 催
安藤忠雄建築展実行委員会
後 援
一般社団法人 東京建築士会、TBSラジオ
協 賛
株式会社サンケイビル、サントリーホールディングス株式会社、積水ハウス株式会社、積和不動産関西株式会社、大和ハウス工業株式会社、森ビル株式会社、株式会社アマナ、株式会社イッセイ ミヤケ、伊藤工事株式会社、大阪商工信用金庫、株式会社叶 匠寿庵、臥龍山安養院、拾分之壹、上海元祖夢世界置業有限公司、新華紅星国際広場、株式会社スーパーホテル、台灣南山人壽、株式会社ビギ、公益財団法人 福武財団、 文築国際、株式会社ベネッセホールディングス、株式会社間口、株式会社ロック・フィールド、Akio Nagasawa Gallery、Aurora Museum、C.C. Kuo、Chateau la Coste、Genesis Beijing、IPU環太平洋大学、maiim、Richard Sachs、Wrightwood Gallery、Yoshii Gallery New York、 岩田地崎建設株式会社、株式会社大林組、鹿島建設株式会社、株式会社きんでん、清水建設株式会社、株式会社佐藤秀、大光電機株式会社、 株式会社竹中工務店、西松建設株式会社、株式会社乃村工藝社、株式会社長谷工コーポレーション、まこと建設株式会社、安藤忠雄建築研究所、アトリエ安藤忠雄
協 力
アイカ工業株式会社、株式会社インターオフィス、株式会社カッシーナ・イクスシー、元旦ビューティ工業株式会社、前田建設工業株式会社、株式会社ユニオン、株式会社LIXIL、TOTO株式会社、YKK株式会社、YKK AP株式会社、エムジーエス|MGS照明設計事務所
観覧料(税込)
当日
1500円(一般) 1200円(大学生) 800円(高校生)
団体
1300円(一般) 1000円(大学生) 600円(高校生)
中学生以下および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
お問合せ
ハローダイヤル 03-5777-8600
☆展覧会ホームページ
http://www.tadao-ando.com/exhibition2017/
☆国立新美術館ホームページ
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
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特別展 北斎だるせん!だるま先生北斎、名古屋をゆく。 [美術館 ARTNEWS アートニューズ]
特別展 北斎だるせん!
だるま先生北斎、名古屋をゆく。
「冨嶽三十六景」でおなじみの江戸の浮世絵師、葛飾北斎(かつしかほくさい)(1760~1849)。
北斎が一時期名古屋に住んでいたのをご存じだろうか?
今からちょうど200年前、北斎は縦18mの大だるまを即興で描くイベントを名古屋で開催したのだ。
そしてそれは、北斎に「だるせん(だるま先生の略)」というあだ名が生まれるほど話題を呼んだ。
大だるまイベントを巡る熱狂を中心に、北斎と名古屋の関わりを紹介する展覧会が、名古屋市博物館で好評開催中だ。
北斎に関しては、筆者は以下などで記しているので参照されたし。
〇館蔵品展 安土桃山~江戸時代に生きた人々 ―肖像画・風俗画・浮世絵―
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-06-28-1
〇日独交流150周年記念 ハンブルク浮世絵コレクション展
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-09-07
〇特別展「四大浮世絵師展」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-11-17
〇三菱一号館美術館コレクション(II) トゥールーズ・ロートレック展
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2011-12-09
〇没後150年 歌川国芳展
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19
〇北斎展 葛飾北斎生誕250周年記念
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-03-09
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-05-20
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-08-18-1
〇江戸東京博物館 開館20周年記念特別展 日本橋 ~描かれたランドマークの400年~
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-07-03
〇ブリヂストン美術館開館60周年記念 オルセー美術館、オランジュリー美術館共同企画 「ドビュッシー、音楽と美術 ―印象派と象徴派のあいだで」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-10-01
〇読売新聞大阪発刊60周年特別展「北斎」 ―風景・美人・奇想―
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-11-28
〇写楽、北斎、広重参上。平木コレクション特別公開!浮世絵の美展
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-01-06
〇島根県立美術館・版画コレクション選 風景版画の変容 「浮世絵」の風景から「版画」の風景へ
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-01-26
〇東京富士美術館所蔵 近代日本画の精華
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-04-25-1
〇あっぱれ北斎!光の王国展 見る者を驚かせ魅了する葛飾北斎のあっぱれ!な世界へ
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-05-05-1
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-12-04
〇浮世絵の美 平木コレクション名品展
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06
〇ご覧あれ 浮世絵の華展 ―歌麿・広重・北斎 平木コレクションの名品展
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-08-23
〇「うらめしや~、冥途のみやげ」展―全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に―
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-08-25
〇肉筆浮世絵の世界 -美人画、風俗画、そして春画-
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
〇フィラデルフィア美術館浮世絵名品展 錦絵誕生250年 春信一番!写楽二番!
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-11-28
〇北斎の富士 冨嶽三十六景と富嶽百景
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2016-01-18
〇大阪フィルハーモニー交響楽団第497回定期演奏会井上道義指揮
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
〇アール・ヌーヴォーの装飾磁器 Decorated Porcelain in Art Nouveau Period
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07
さて、北斎と名古屋の関わりは深いのだが、あまり今までの北斎展では語られて来なかった。
この展覧会では、名古屋という開催地域を考えて展覧会が構成されているので、これまでの北斎展にはない画期的な試みがなされている。
「漫画」という言葉は、そもそも字義的には「気の向くままに漫然と描いた画」という意味だ。
北斎は、北斎漫画(ほくさいまんが)の序文や題名で、用語「漫画」が「絵による随筆」「戯画風のスケッチ」という意味で使用した。
そして時代は流れ、マンガは、日本ではぐくまれた独自の文化として、今や、世界では日本の印象の代名詞と化している。
今や、世界語の“MANGA”。
実は、この北斎漫画は名古屋で誕生した本なのだ。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、日本の美術工芸品が、西洋の美術、工芸、装飾などの幅広い分野に影響を与えたのは、北斎漫画がきっかけという。
そして、ジャポニスムがヨーロッパ各地で広がる。
北斎は、エドゥアール・マネ、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・セザンヌ、ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー、エドガー・ドガ、クロード・モネ、ポール・ゴーギャン、ピエール=オーギュスト・ルノワール、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、アンリ・リヴィエール、シャルル・マルタン・エミール・ガレ、クロード・ドビュッシーなど多くの芸術家に影響を与えた。
・エミール・ガレの以下の作品には、北斎漫画の初編に載る蛙の図が転用されている。
エミール・ガレ 蛙・蓮文花器 個人蔵
2011年、独・ベルリンのマルティン・グロピウス・バウ(Martin-Gropius-Bau)にて開催された「日独交流150周年記念 北斎展」。
その記者内覧会に筆者は参加して来たが、その時、ドイツのテレビ局は、現在の日本のマンガ本をページを繰りながら撮影し、北斎漫画につなげていた。
海外のかたの認識を感じさせられた体験だった。
ドイツ大統領もオープニングセレモニーに出席するなどドイツでの北斎の評価は高い。
また、メディアもドイツのテレビ局や雑誌など日本のメディアの数より多く、注目が集まっていた。
さて、北斎は、文化9年(1812)と文化14年(1817)の少なくとも二度、名古屋に来ている。
文化9年(1812)の秋、北斎は関西旅行の途中、名古屋の門人牧墨僊(まきぼくせん)宅に半年ほど滞在した。
その時、北斎が描いたという三百点余りの絵を、永楽屋東四郎(えいらくやとうしろう)が文化11年(1814)に出版したのが北斎漫画だ。
葛飾北斎「北斎大画即書引札」 名古屋市博物館蔵
さらに文化14年(1817)にふたたび来名した北斎は、二度目の滞在時には花屋町にあった家に住んだという。
同年10月5日、西掛所(にしかけしょ)(現本願寺名古屋別院〔西別院〕)にて120畳敷(縦約18m、横約11m)の紙に大だるまの半身像を描くイベントを行なった。
これは、『北斎漫画』を出版する二代目永楽屋東四郎がブックセールスの一環として仕掛けたものと考えられている。
この模様を尾張藩士の高力猿猴庵(こうりきえんこうあん)が、詳細な記録に残している。
高力猿猴庵『北斎大画即書細図』
この時、北斎は、数えで58歳。
残念ながら北斎が描いた大だるまそのものは現存していない。
そこで、この展覧会では、猿猴庵の記録を基として、大だるま(部分)と大筆を原寸で復元している。
大筆を揮う北斎の気力と技量を体感したい。
そして、これだけの大きなイベントを仕掛け、そして見事に成功をおさめた人たちが200年前の名古屋にいたのだ
ということを感じていただきたい。
この展覧会では、この頃、活況を呈していた名古屋の出版界と永楽屋東四郎、そして墨僊ら北斎の門人たちの活動も併せて紹介している。
筆者は以前、『読売新聞大阪発刊60周年特別展「北斎」 ―風景・美人・奇想―』の記事で
以下のように記している。
「北斎は、大坂を訪れたと考えられている。(一説に文化9年[1812]および同14~15年頃)。確かな証拠は見つかっていないが、北斎が描いた『北斎画式』という絵手本が大坂の版元を中心に出版されたり、北洲や北敬という大坂の浮世絵師たちが北斎に弟子入りしたりしていることからも、北斎が来坂した可能性はかなり高いといえるであろう。
というのも、北斎の来坂をうかがわせる資料として、「今様櫛きん雛形』という今でいうデザインブックに「きのくにへこゆるときこのせいさくをみたり~」と紀州に行っていて紀州を超える時に見たというようなことを書いているからだ。」
2017年の今でも、北斎が大阪に立ち寄ったという確かな証拠は出ていない。
しかし、名古屋には、猿猴庵の詳細な記録が残っているのだ。
筆者の住む大阪には記録は残っておらず、名古屋にはある。
名古屋のかたがたは、このことをぜひ誇りに思っていただきたい。
そして、猿猴庵の尽力は高く評価されるべきであろう。
その後、江戸に戻った北斎は、大判錦絵作品に挑む。
そしてついに傑作「冨嶽三十六景」を生み出すのだ。
この展覧会では結びとして、「冨嶽三十六景」シリーズ中に描かれた名古屋の図「冨嶽三十六景 尾州不二見原」に焦点をあてながら、北斎作品の魅力をひもとく構成だ。
これは、名古屋から見た富士山の図だ。
大きな桶(円)のなかから富士山(三角)をのぞき見るという北斎ならではの幾何学的構図が特徴で、シリーズ中でも評価が高い作品だ。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 尾州不二見原」 個人蔵
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(株)ティ・エス・ケー蔵
葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」(株)ティ・エス・ケー蔵
北斎はなぜ名古屋を訪れたのか?
名古屋の人たちにとって北斎をどういう存在だったのか?
名古屋の北斎門人らの活動は?
今、その謎が解き明かされる。
名古屋だからこそ成しえた展覧会。
この展覧会は、今後の北斎研究に一石を投じることになるであろう。
美術史上も大変重要な展覧会だ。
お見逃しなく。
☆企画構成
第1章)Before 名古屋
第2章)北斎、漫画を描く
第3章)北斎、大だるまを描く
第4章)名古屋の仲間たち
第5章)After 名古屋
※会期中、ページ替えを行う作品あり。
観覧料
一般 高校・大学生 中学生以下
1,300(1,100)円 900(700)円 無料
※( )内は20名以上の団体料金。
※名古屋市交通局の一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用して来館された方は100円割引。
※身体等に障がいのある方または難病患者の方は、手帳または受給者証のご提示により、本人と介護者2名まで当日料金の半額。
※各種割引は重複してご利用は不可。
会 期
平成29年(2017)11月18日(土)~12月17日(日)
会 場
名古屋市博物館 〒467-0806 名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
TEL.052-853-2655 FAX.052-853-3636
地下鉄桜通線「桜山」下車、4番出口から徒歩5分。
休 館 日
毎週月曜日・第4火曜日[12月11日(月)]
開館時間
9:30~17:00(入場は16:30まで)
主 催
名古屋市博物館・中京テレビ放送
協 賛
愛知トヨタ自動車株式会社
協 力
浄土真宗本願寺派 本願寺名古屋別院(西別院)
☆名古屋市博物館サイト
http://www.museum.city.nagoya.jp/
☆展覧会公式サイト
http://www.ctv.co.jp/event/darusen/
☆講演会
12月9日(土) 「名古屋の北斎 だるせんと仲間たち」
講師: 津田 卓子 名古屋市博物館学芸員
開演:13時30分(開場は13時00分)
会場:地下1階講堂(定員220名)
聴講無料(ただし本展観覧券が必要。観覧済半券も可)。
※当日9時30分より聴講整理券を展覧会場入口で先着順に配布(1観覧券につき1枚のみ)。
【注意事項】
※講演会で、手話通訳・要約筆記などによるサポートをご希望の方は、当日の2週間前までにご相談のこと。
☆展示説明会
12月5日(火)
12月6日(水)
講師: 津田卓子 名古屋市博物館学芸員
開講:いずれも10時30分(開場は10時)
会場:1階展示説明室(定員100名)
聴講無料。
【注意事項】
※展示説明会で、手話通訳・要約筆記などによるサポートをご希望の方は、当日の2週間前までにご相談のこと。
☆名古屋歴史スマートナビ「北斎だるせんコース」
スマートフォンにアプリ(無料)をインストールして、名古屋における北斎の足跡を巡ろう。
特別展「北斎だるせん!」会場入口にて、アプリのアイコン画面と本展観覧券(観覧済半券も可)をご提示で記念品プレゼント。
記念品の引き換えは1名1回限り、会期中先着500名。
インストールは「App Store」または「Google Play」から「名古屋歴史スマートナビ」で検索。
アプリ公開期間:2017年11月1日(水)~12月17日(日)
記念品交換期間:本展開催期間中(休館日を除く)。
※一部アプリに対応していない機種があり。
アプリ問い合わせ:名古屋文化遺産活用実行委員会(名古屋市歴史まちづくり推進室)
info@758rekishi.com
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
送達対応いたします。
発送をもって当選と代えさせていただきます。
☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い
よりよいサイトづくりのため、読者の皆さまからのご意見を常時受け付けております。
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:アートニューズ ご意見・ご要望・ご感想
とお書きの上、ご意見・ご要望をお送り下さいませ。
お待ちいたしております。
※人物名の表記は、敬称略。
※画像および記事の無断転載禁止
☆お知らせ
いつもご愛読下さいまして、まことにありがとうございます。
皆さまからのあたたかい励ましのメイル、大変ありがたくうれしく思っております。
多くのかたからメイルをいただいておりますため、ご返信ができないこともございますが、何卒お許し下さいませ。